見出し画像

夢の オリンピック

はじめてのnoteです。まずこれはオリンピックが終わってしまう前に書いてしまわなきゃと、ズボラな自分に鞭打って書きました。コロナが絡む話は腹立たしいことのオンパレードかもしれませんが、まずは誰かをあからさまに非難しないようにして、気づいた人にはクスっと笑ってもらえるような控えめでちょっぴりブラックなユーモアを交えて書いてみた、、つもり、、です。

OMOTENASHI おもてなし

「O・MO・TE・NA・SHI」の精神を紹介してIOC総会で世界を魅了し、東北の震災からの復興、という崇高な目的を掲げ、文字通り国を挙げて勝ち取った東京オリンピック。「都民が一番」「まず、東京から」と、ヒト・モノ・カネを集中させ、鉄道、道路、タクシー、と東京のインフラは整備され、山手線には新駅も誕生しました。
この7,8年でオリンピック関連の競技施設に加え、たくさんの高層ビルが建設され、マンションが林立し、東京の発展は目を見張るものがあります。実際、人口増減だけを見ても、直近5年で全国の人口が約162万人減少(-1.63%)する間に東京都は約33万人増加(+2.55%)し、増加数も増加率も全都道府県の中で群を抜く結果を残しています。(総務省資料 住民基本台帳・日本人住民)

夢よ、もう一度

東京オリンピックさえ成功すれば、その経済効果はやがて東北地方にもおよび、震災からも復興できる…「復興五輪」とはまさに、戦前から続く「欲しがりません勝つまでは」という 美しい国 の精神を現代に受け継ぐものかもしれません。1964年の東京オリンピック当時に小学生・中学生だった年齢層の中には、東京2020を「あの時の夢よ、もう一度」とばかりに当時の興奮が再び味わえるイベントとして、心待ちにしていた人も少なくないでしょう。

その、夢のオリンピック開催まであと半年というところで突如現れたCOVID-19は、瞬く間に世界中に大きな困難と苦悩をもたらしました。日本でも国民生活はすぐに影響を受け、格差社会が抱える問題も浮き彫りになりました。刻々と状況が未知の変化を続ける中、指導者は感染状況を 常に警戒感を持って、注視し、専門家の意見を聞きながら、前例にとらわれず、先手先手で、スピード感を持って、躊躇なく、機動的な対応、をとってきました。実際、コロナの影響で職を失うなど、特に困難な状況に陥る人々に向けてどう対策すべきかの議論も行われましたが、結果的には全世帯に布マスクを配布したのに続き、全住民を対象に10万円特別定額給付金が支給されました。

東京オリンピックに関しては、日本では1年以内にコロナ禍が収束すると見込み、人類がコロナに打ち勝った証として、1年だけ延期することになりました。その間、組織委員長の交代をはじめ、開会式演出チームの解散・責任者の交代、新たに起用したアーチストらの辞任や解任など、問題の発生と機動的な対応が続きました。

バブルよ、再び

コロナ対策については結局、ほとんどの会場で一般客の入場をゼロにする「無観客」で開催することになりました。一般客の 観戦 を排除することで、関係者を 感染 から守り、コロナ禍の中であっても競技会場は 完全な形 で 安心・安全 に 観戦 できるオリンピック...失われた30年を経て、かつてとは全く異なる形で日本が再びバブルで勝負に出ることを、いったい誰が想像できたでしょうか。招致の時に約束した美しい日本、技術立国・日本のおもてなしの精神はこのような形で発揮され、世界に向けて発信されました。

画像1

欲望の正義

様々な利害・利権が複雑に絡む巨大商業イベントや、パンデミックのように人類の生命や財産を奪う自然界の脅威に対して、人間社会では常に、権威・権限や金銭の利得を巡って、えげつない争いが繰り広げられます。表面的には各者各様にそれぞれの正義、正論を掲げながら、その裏では時に陰湿で狡猾で、残忍なやり方で、とめどない闘争や謀略が繰り広げられるのです。

東京オリンピックについても、強硬開催を目指す人、無観客実施を支持する人、開催延期を求める人、開催中止すべきと主張する人、、、それぞれがそれぞれの利権やイデオロギーを守りたい、実現したい、認めてほしいという欲望のために、無我夢中です。コロナ対策を巡っても、政治団体、官僚、保健医療関係団体、公共政策関係業界、そしてマスメディアなどの権力者がそれぞれの利権・利得を巡って 緊張感のある 議論や駆け引きが繰り拡げられています。刺激を受けた国民の間ではいろいろな新しい「○○警察」が生まれたりもました。
なお、それぞれの主張や論点、目指す方向はまるで異なるかもしれませんが、ひとつだけ、それが国民の生命と健康を守るためであり、世界平和のためであるという主張については、1ミリのブレもなく共通しています。

Moving Forward

2021年7月14日、東京オリンピック・パラリンピック開閉会式4式典のコンセプト「Moving Forward」を伝えるニュースで映し出されたのは、1500億円を超える費用をかけて建設された新国立競技場・・・オリンピックメインスタジアムでした。
同じ日、MLBオールスター戦の中継映像では、大谷翔平選手と菊池雄星選手という二人の若いメジャーリーガーが、同じ岩手県・花巻東高校野球部出身としてベンチで並ぶ姿が映し出されました。その頼もしい姿が、多くの国民に、とりわけ、岩手県をはじめとする東北地方の人々や、日本中の若い人たちに、どれだけの勇気や感動を与えたことでしょう。

一般客をシャットアウトしたオリンピックメインスタジアムと、大勢の野球ファンで埋め尽くされ、日本人メジャーリーガーの活躍が万雷の拍手で祝福されるクアーズスタジアム。「迅速かつ的確に家計への支援を行うため」に配布された特別定額給付金で手に入れた最新の8Kテレビに、その絶望的なまでのコントラストは、どのように映し出されたのでしょうか。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?