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生きものを活用した新しい医療

三井 最近は医療に動物を用いる研究が進んでいるね。
住友 ペットセラピーのこと?
三井 いや、ペットセラピーとはまた別の医療だよ。
住友 患者の精神的なケアをするために愛玩犬などを用いることじゃないの?
三井 犬を使うことは使うんだけど、犬の嗅覚を利用したガンの診断方法なんだ。
住友 どんな?
三井 犬が人間の呼気や尿の臭いを嗅ぎ分けてガンを発見してくれるんだ。
住友 いわゆるガン探知犬だね。
三井 そう。犬だけじゃなく、ネズミやショウジョウバエも用いられるらしい。
住友 線虫も使われるそうだね。
三井 線虫の嗅覚もかなり精度が高いと言われているよ。
住友 研究が進んで、ガンが早期に発見されるといいね。
三井 じつは生物の特性を活かした医療は昔から行われているんだ。
住友 たとえば?
三井 蛭を使って瀉血する治療法。
住友 あ、知ってる。蛭を皮膚に取りつかせて血を吸わせるんだね。
三井 古代エジプトの時代からあるらしい。
住友 ウジを使った傷の治療もあるよね。
三井 マゴットセラピーと呼ばれているよ。
住友 マゴットってウジのこと?
三井 そう。傷口にウジが湧くと回復が早いことは古くから知られている。抗生物質が発見されるまでは、戦場の負傷兵に一般に用いられていた治療法だ。
住友 ウジに治療してもらうと思うと、なんとなく忌避感があるなあ。
三井 腐敗臭もきついらしい。
住友 抗生物質が発見されてよかったね。
三井 最初に作られた抗生物質も生物由来だよ。
住友 青カビからペニシリンが作られたんでしょ?
三井 そう。
住友 考えてみれば、抗生物質に限らず、ほとんどの医薬品は生物を原料としているよね。
三井 とくに植物をね。
住友 人間の命は他の生きものに支えられているんだね。改めてそう感じるよ。
三井 生きものに感謝しなければならないね。
住友 将来、医療従事者を志す受験生はとくにそうだね。
三井 他の受験生もそうだよ。
住友 受験生の皆さん、頑張ってください。
三井 頑張ってください。


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