受験生を見守るイチョウの木
三井 12月になってイチョウの葉が散り始めているね。
住友 舞い散る黄金の葉が鮮やかだ。
三井 地面にはまるで黄金の絨毯が敷かれているみたい。
住友 イチョウ並木ならではの風景だね。
三井 ところで黄金といえば、「黄金の魚」という詩が、ある医学部の小論文に出題されたことがある。
住友 谷川俊太郎の有名な詩だね。
三井 そう。パウル・クレーが描いた「黄金の魚」という絵に谷川俊太郎が詩を添えたんだ。
住友 どんな詩なの?
三井 大きな魚が小さな魚を食べることをテーマにした詩。
住友 食物連鎖ということ?
三井 生きていくためには必ず他の生きものの命を奪わなければならないということ。
住友 なるほど。それについて意見を述べよという小論文だね。
三井 医学部の小論文のテーマには難解なものが多いけど、この問題は出題の意図が比較的はっきりしていると思う。
住友 そうだね。食べる魚も食べられる魚もともに生きるということを論じればいいんだね。
三井 近年の医学部の小論文では、「共生」という考え方が重要なキーワードになっている。生命の尊厳や多様性の尊重という視点から、共生について考えてみることが大事なんだ。
住友 ウイルスとの共生もよく出題されているね。
三井 コロナの影響だね。
住友 でも、共生って簡単なことではないでしょ。
三井 たしかに簡単なことではない。たとえば、感染症を媒介する蚊は、人間にとって有害な生きものだけれども、蚊を完全に駆除してしまうことは、生態系に大きな悪影響を及ぼすことになる。たとえ人間に不利益をもたらす生きものであっても、共生していかなければならないんだ。
住友 じゃあ、三井さんとも共生していかなければならないんだね。
三井 ぼくは蚊と一緒?
住友 それは、さておいて。
三井 こらっ、勝手にさておくな。
住友 年明けにはさっそく共通テストが始まる。
三井 いよいよだね。
住友 受験生は感染症予防に十分な対策を取って試験に臨んでほしいね。
三井 これまで努力が存分に発揮させることを祈っています。
住友 受験生の皆さん、頑張ってください。
三井 頑張ってください。
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