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Snap diagnosis* Case 3

AIM Clinical Cases. 2023;2:e230560.

【症例】
85歳男性.

【主訴】
発熱, 胸部絞扼感. 

【現病歴】
■ 発熱と胸部絞扼感でER受診.
■ 2か月前と比較し10kgの体重減少と全身脱力感あり.
■ non-STEMIと診断され冠動脈造影(CAG; coronary angiography)実施. 既存の冠動脈グラフトに致命的ではないものの冠動脈病変を認めた. 

【現症】(CAG後)
■ 上記写真.
■ 触診で両側側頭動脈の蛇行と肥厚を認め, 右側頭動脈の拍動は微弱で左側頭動脈は脈拍を触れない.
■ 赤沈 114mm/h.

What's your diagnosis ?








【診断】
巨細胞性動脈炎(giant-cell arteritis; GCA)

【経過】
■ 左側頭動脈の生検後, 高用量ステロイド治療開始. 
■ 病理でGCAに矛盾なし(巨細胞の存在, 内弾性板の断裂, 内膜の著名な線維性肥厚).
■ ステロイドで皮膚所見は改善. 

【考察】
■ 頭皮壊死はGCAではまれな所見. 
■ 浅側頭動脈の主要な4分枝の閉塞で生じる. 
■ 頭皮壊死は死亡率の増加, 他の虚血性イベント(視力消失, 舌壊疽など)の発生率の増加と関連しており, GCAの予後不良マーカーとなる. 
■ GCAでこの所見を見たら, 急いで治療をしたほうがよいかもしれない. 


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