真実と現実1
認知症に関わる物取られ妄想、被害妄想に対しては
「否定しない」「傾聴する」「共感する」「紛失物は一緒に探す」
これは基本であり必須の対応です。
どんな情報を探してもどの医療機関や介護相談場所に聞いても同じです。
当然だと思います。
私だって、例えば今突然旦那に「今信じている世界は嘘だよ」って
言われたら混乱します。
でも介護する側からすると「ねじ曲がっている違う世界を肯定して
そこに合わせる」必要があるんですよね。
それはそれで難しい事だと思います。
理想論、必要な対応論は分かりますが、
今この世界ではどれだけの人が「認知症基本必須の対応」を
出来ているのでしょうか。
いつまでそれを出来るのでしょうか。
そして、それが出来なくなった時どんなことが起きているのでしょうか。
私は、もう自覚している以上に限界点に来ていたんだと思います。
それでもなんとか、基本の対応が出来ていたのは母のターゲットが全て
父だったから。
時々八つ当たりされたり、よく分からないことを言われても
ある程度冷静に対応できたのは、「母の敵意の矛先が私じゃなかったから」
土曜日、当初の予定していた買い物のため、家に行くと
母が「財布がない」と。
一緒に探して数分後、「いつもと違う場所に置いていたわ」と発見。
ホッとしたところ、突然母に「ねぇ、私が何をしたって言うの。
財布の場所が分からなくなるくらい色々なところに置く理由がわかる?
どうしてそこまで嫌がらせをするの?いったい私になんの恨みがあるの。
父さんのせいだと思っていたけれど違ったんだ、全部あんただったんだ!」
と怒鳴られました。
私の中で何かが終わった音がした気がします。
つづく。