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何かツイてる男。

ヘビの抜け殻が、金運アップに効果があると何かで目にし、庭で偶然見つけたヘビの抜け殻(まるまる一本)を折り畳んで財布にしまっている専務佐藤です。

特に今のところ金運アップの効果が出ている感じはありません。

どっちかというと財布を開けるたびにヘビの抜け殻がチラチラ見えて、それが気持ち悪く少しストレスになっている気さえします。

多分もうそろそろ抜け殻捨てます。


いやまあ、信じるものは救われるってね。どっかで何かいい事あればいいなと思ってます。

あのー、私ですね。こんな事言ってますが信心深くも無ければ、霊感的なものもゼロなんです。

ただ、祖母は神主の家出身だからか何なのか割と見える方みたいですね。

その血を継いでいる父も、見えるまでは行かなくとも若干感じるみたいです。

私はと言いますと全然感じないんですけど…

19歳の時に付き合っていた彼女の親友が霊感が強い方で、その親友が夢で私が浮気したのを見た。と、彼女にお告げしたそうです。

私は「バカヤロー!浮気なんかするわけ無いだろう!」と。

「霊感なんか信じるんじゃねー!」「俺と霊感どっちを信じるんだ!」と。


いやまあバッチリそこらへん私、浮気していたので完全に慌てふためき、次の日バレて結果お別れするという経験をしておりまして。

もうね。霊感こえーこえー。

ただこれね。当時の彼女さんや親友さんから見たら、私が悪霊だったんでしょうね。憑かれてるよって。

やかましいわ。


今から15年前。20歳の成人式の2日前ほどに、地元の男友達2人と深夜ドライブする事になりました。

親父のワンボックスカーを借りまして、特に当ても無く近場をブラブラと。


それで、あるダム湖の近くに差し掛かったときに自販機があったので、ちょっと休憩して缶コーヒーでも飲むかって言ってベンチで湖を見ながら男3人でくっちゃべってました。青春の1コマですね。

で時間も忘れて笑ってドライブして朝4時に帰宅して、そのまま眠りにつきました。

その夜、私はガッツリ金縛りにあいました。

耳鳴りから始まってバッキーーーンって硬直。

目だけは動くんですけど、体が全然動かないんですね。

ただ顔の前に誰かがいるような感覚で怖くて目を開けれませんでした。

夜が明けて、いつの間にか寝てしまっていた私が恐る恐る目を開けますといつも通りの朝でした。

何やったんやろーかあれは?と思いながら親父と朝、顔を合わせると開口一発

「何か後ろにおるぞ。昨日どこ行ったんか?」

と言われました。

「えっ?」

となった私は金縛りにあった事、そして昨日行った所。コーヒーを飲んだ場所、洗いざらい言いました。

親父曰く

・コーヒーを飲んだダム湖が、霊が集まる場所だ。

・お前達が楽しそうに話しているのに寄ってきた。

・帰りの車中は3人と3体の合計6人で帰ってきている。

・最終的に2人友人を降ろした後にお前は1人で帰って来ているつもりかもしれないが4人で帰ってきている。

と、とんでもない事を言われたのです。

おい、マジかよ!と。

私「今、どこにいる感じ?」

父「後ろにおる感じ。チューチュートレインみたいな感じ。」



…嘘だろおい。

「先生私はどうすればよろしいんでしょうか?」と父に尋ねると「ちょっと待っとけ」とその場からいなくなり2分後、大量の塩を持って来て私に向かって塩を投げてきた。

「先生これは追い払ってるんですよね?決して面白がって塩をぶつけてるんじゃ無いですよね?たまに固まった塩が当たって痛いのは、追い払ってるって証拠なんですよね?先生?先生?」

そうこうたっぷりと塩を振りかけられた私に先生は

「持っておきなさい。」

とビニールの小袋に入った塩を渡しました。

ビニールの袋って言うか通称パケですね。

もう見るからに『末端価格○○○万円』みたいな見た目アウトな塩を渡されました。

その後、車にも入れて置きなさいと、またもパケに入った塩を500gほどダッシュボードに積んで置きました。

その後、特に霊障?的な事は何も起こらず一月ほどの時間が過ぎました。

塩の存在などすっかり忘れて、またもやその友人と深夜ドライブしていました。

当時の私の髪型はスキンヘッドでした。髪なんぞ必要ねーぜと。清々しいぜと。

そして友人もスキンヘッドでした。髪なんぞしゃらくせーと。男らしいぜと。

スキンヘッドの男2人で深夜ドライブしてたら、やっぱり何か目立つんでしょうね。

パトカーに止められました。


お巡りさん『こんばんは、お酒なんか飲んでないよね?』

私、友人「飲んでるわけ無いじゃないっすか^_^」

お巡りさん『そうだよね^_^一応、ちょっと怪しい物持ってないか確認するから車の中とか所持品とかちょっと見させてもらっていいかな?』

私、友人「どうぞどうぞ!」

もう本当に、ただブラブラ遊んでただけで別に何も無いんです。ただ成人式で調子乗って頭をスキンヘッドにしてるだけのちゃんと挨拶もする普通の青年なんです。

お巡りさん『免許証見せてもらえる?』

って言われたので喜んで免許証出そうと財布を出したら、財布のなかにパケに入った塩があってですね。

お巡りさん『…それ何?』

って。

…私は一瞬で分かりました。

疑われてる。これ覚醒剤だと思われてるって。見まごう事なき白い粉だもん。警察24時のシチュエーションだもん。俺でも思うもん。

そしたらもう1人のお巡りさんがダッシュボード開けてて、そのお巡りさんも500gほどのパケに入った塩見つけてビックリしてるのよ。

(どえらいもん見つけたっ!)て顔して。

お巡りさんが『これって何?正直に言って。』と迫ってきました。

私は正直に言いました。

・これは塩です。間違いなく塩です。

・何で塩を持ってるかというとちょっと前に3人でドライブしていたら、3体の霊を乗せて連れて帰ってしまっていた。

・父が魔除けに塩を渡してくれた。

・スキンヘッドは成人式で調子に乗ってしまった。後悔している。


もうね。必死で説明しました。

ただ必死に説明すればするほど「は?霊?」て感じで(コイツら幻覚でも見てんじゃねーか?)っていうお巡りさんの気持ちがヒシヒシと伝わってきまして。

そうこうするうちにもう一台応援のパトカーが来て完全に大捕物になっちゃっててですね。

よーし分かった。そこまで疑うんだったらいっぺん腹割って話そうか。と気付いたらパトカーの後部座席に座らされてまして、もういつでも逮捕できる態勢が整っておりました。

「だーかーらー塩なんすよー!!!」

と半泣きで抵抗していたら外にいたお巡りさんが、運転席のお巡りさんに小声で

「…これ、塩ですね…。」

と報告してまして、そのまま無罪放免となり解放してもらいました。

『紛らわしい事はしないように。』

と紛らわしい事してないのに注意を受けて、2人無言でそのまま帰宅しました。

ふと空を見上げると、星空が綺麗な寒い日の事でした。

今となっては20歳の頃のしょっぱい思い出です☆

塩だけに。

ではでは。





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