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ごめん、君に恨みはないんだが。

我が家では2つの種族が闘いの真っ最中だ。
人種(ヒトシュ)とネズミ種。
言の葉が相互理解不能の2種の間には対話による解決などあるはずもなくただ不毛な争いのみが続いている。

我が家は8軒長屋の真ん中。日当たりは最悪、風通しも最悪。湿気が凄いと3拍子揃った家。
古くなりすぎたので建替えするという。
順番に新しく建てては引っ越して元を崩すという作業を繰り返し、うちの順番は最後、のはずだった。

様々な行き違いが役場側と起こり、うち以外の長屋の住人は引っ越した。いや、うちだけが取り残されたのだ。
正確にいえば、我が家の人間と団地のネズミとゴキブリが残されたのだ。

この状況が何を意味するかわからないだろう。
ゴキブリはさておき、ネズミ。調べるとクマネズミらしい。頭が凄く良いというスーパーラット。
ドブネズミと違い、壁も登る。

食料もある、冷暖房完備の我が家へ一斉集結した。昼夜問わずカリカリ。ありとあらゆるものが紙吹雪となった。蓄えていた食料もやられた。

ケーブルがやられネットが死んだ。
アンテナケーブルがやられテレビが見れなくなった。

ネットは復旧させたがテレビは無理だった。テレビのない生活が続いている。

最初は穏便に済ませようとスプレーをした。
ニオイに人がダウンしただけ。ネズミには効かず。次にジェル状のタイプ。倒され撒き散らされ後片付けが大変だった。普通の粘着タイプ。
糞や毛が残るが本体なし。裏返されたヤツもあり大変!殺鼠剤も効果なし。

あとで分かったことは普通の殺鼠剤は効き目が弱く、時間をかけ蓄積してから効くという。
プロの即効性殺鼠剤を偶然見つけ、状況が変化した。こちらは超即効性。数時間で効果が出る。

4匹でしたが処分ができた。
それから『プロ用』と書いたものを他に探し周り粘着タイプを購入しセット。現在まで40匹以上捕獲し処分しました。
かかっている姿は痛々しくかわいそうでもあります。最後まで抵抗する子もいたりビックリするくらいの大声で叫ぶ子もいたりと個体差がはっきりしてます。

『もしも生まれ変わるなら人に生まれ変わりね』
と声をかけ始末してます。
本当に各個体には罪も恨みもないがある一定の悪さをするヤツのせいでこんなことにまでなってしまった。

あとどのくらいで終わるのか。
本音をいえばやりたくないのであります。




作品は観る者がいないと成立いたしません。観る者が1人でも成立いたしますが多ければそれだけ物書きという者ははりきるのです。観る者が育てるという役を選んでくれたなら物書きは安心して書くができるでしょう。