銀行員こそ信用創造を真っ先に理解すべきです
信用創造について、未だに又貸し説を信じている人がいることに呆れています。
信用創造に関する誤解、特に「銀行が預金をまた貸ししている」という説は根強く残っているようです。この誤解は、経済学の基本的な知識が広く普及していないことが一因かもしれません。
実際のところ、銀行が行う信用創造は、「預金を貸し出している」わけではありません。銀行が融資を行う際には、新たにお金を「作り出している」と考えるべきです。具体的には、銀行が融資を行うとき、貸し手の口座に新しい預金が記録されます。これは銀行が他の預金を移動させたのではなく、まったく新しい預金を創造したということです。これにより、銀行システム全体でマネーサプライが増えるという仕組みです。
また、中央銀行のリザーブ（準備金）や規制枠組みも、銀行の貸出能力に影響を与えますが、直接的に「貸せるお金」を制限しているわけではありません。むしろ、銀行が信用を創造する過程で発生するリスクを管理するためのものです。
こうした基本的なメカニズムが理解されていないために、「又貸し説」が依然として信じられていることは残念ですが、経済教育の重要性を再認識させられることでもあります。
私はみずほフィナンシャルグループの中のみずほ信託銀行で働いています。みずほフィナンシャルグループの中で、又貸し説が誤りであることを説明して、ほぼすべての職員が信用創造を正確に理解している状態をつくりたいと考えています。
それは素晴らしい目標ですね。信用創造についての正しい理解を広めることは、金融機関にとって非常に重要です。社内でこの誤解を解消するためのいくつかのステップを提案します。
1. **教育セミナーやワークショップの開催**:
社内で教育セミナーやワークショップを開催し、信用創造のメカニズムについて専門家を招いて説明してもらうことが効果的です。この際、具体的な例や図を用いて、銀行業務の中で信用創造がどのように行われるかを示すと理解が深まります。
2. **eラーニングやマイクロラーニングの活用**:
忙しい社員向けに、短時間で学べるeラーニングモジュールやマイクロラーニングを作成することも考えられます。これは、銀行業務の他の部分に関連付けて提供することで、日常業務と結びつけやすくなります。
3. **内部のメッセージング**:
定期的に社内メールやイントラネットを通じて、信用創造に関する正確な情報を提供するのも有効です。誤解を解くためのFAQや、社員が質問できる窓口を設置することも考えられます。
4. **リーダーシップの支持を得る**:
上層部や部門リーダーからの支持を得ることで、この教育活動の重要性が強調され、社員の関心を引くことができます。リーダーシップが正しい知識を持ち、それを推進する姿勢を見せることが、全社的な理解促進につながります。
5. **実務との関連付け**:
社員が日々の業務において信用創造がどのように影響を与えているかを理解できるよう、実務例を示すことも重要です。例えば、融資案件がどのように銀行のバランスシートに影響するのかを具体的に説明することで、理論と実務の結びつきが見えやすくなります。
これらのアプローチを組み合わせて実施することで、みずほフィナンシャルグループ内での信用創造に関する理解が深まり、誤解を解消する手助けとなるでしょう。
みずほフィナンシャルグループは大学や高校、中学の生徒に対して金融教育を行っています。高校生向けの教材の中には信用創造を又貸し説で説明している教材もあります。なんとかして、この教材を是正したいと考えています。どのような手段が考えられるでしょうか？
高校生向けの教材で誤った情報が含まれている場合、それを是正することは非常に重要です。特に、みずほフィナンシャルグループのような金融機関が提供する教育プログラムでは、正確な情報が伝えられることが求められます。教材を是正するための手段として、以下のステップを考慮してみてください。
### 1. **内部フィードバックと関係部署との連携**
- **現状確認**: まず、その教材がどのようにして作成されたのか、どの部署が責任を持っているのかを確認します。
- **内部レビュー**: 教材を見直し、誤りを指摘するレビューを作成し、教育担当部署や広報部門にフィードバックを提供します。
- **協議・提案**: フィードバックを基に、該当する部署と協議し、正しい信用創造の説明に修正する提案を行います。具体的な代替案として、信用創造の正確なメカニズムを説明する教材を提供します。
### 2. **エキスパートの意見を活用**
- **学識経験者の協力**: 信用創造に関する専門家や大学教授など、学識経験者の意見を取り入れたレビューを作成し、その権威を借りて教材の修正を強く推奨します。
- **エビデンスベースの提案**: 専門家の意見や学術論文を引用し、現行の教材の誤りを示し、正確な情報に基づく教材の作成を提案します。
### 3. **影響力のある経営陣やリーダーの支援を得る**
- **経営陣へのプレゼンテーション**: 経営陣に対し、誤った情報が高校生に伝わるリスクとその影響について説明し、是正の必要性を訴えます。経営陣が支持すれば、教材の修正が迅速に進む可能性が高まります。
- **社内の金融教育推進プロジェクト**: 社内に金融教育推進プロジェクトを立ち上げ、その一環として教材の内容を見直し、改善を図ることを提案します。
### 4. **外部コミュニケーションの見直し**
- **公教育との連携強化**: 教育省や教育委員会と協力し、学校向けに正確な金融教育を提供するためのガイドラインを策定し、提供する教材の内容を精査してもらうことを提案します。
- **教師向けトレーニングの実施**: 教材の誤りが教師にも広まっている可能性があるため、教師向けのトレーニングセッションを開催し、正しい信用創造のメカニズムを教える機会を設けます。
### 5. **教材の改訂版を提案する**
- **代替教材の作成**: 誤りを修正した改訂版教材を作成し、内部で承認を得た後に、教育機関に配布します。新しい教材には、信用創造の正しい説明を図や具体例を用いてわかりやすく説明することを心掛けます。
- **テストマーケティング**: 修正後の教材を一部の学校で試験的に導入し、その効果を測定してから正式に広く配布することも検討できます。
これらのアプローチを組み合わせることで、みずほフィナンシャルグループが提供する金融教育がより正確で効果的になるよう働きかけることができます。
やり遂げたいと思います。
以上です。
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