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[詩] すごいもの

下りながら
着くかも知れない底のことを
気にかけながら
慎重に足をはこぶ

上りながら
どこかで途切れてはいないかと
気をもみながら
両足に力がはいる

歩みをすすめれば
どんなに低いところへでも
ずっと高く遠い頂にさえ
たどり着ける

地核に向く重力ベクトルを
踏み板で細分すれば
外の見てみたい光景へと
自力で近づいてゆける

魂の残り香と
寂しみの重さを
忘れてしまわないように、また
階段の手すりに利き手を預ける

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