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障害年金や生活保護はベーシックインカムの導入となりうるか

私自身はベーシックインカム賛成派でも反対派でもないのですが、ベーシックインカムを実現する上での現実論として、現在ある制度を活用するというのは一つの案です。

例えば生活保護や障害年金などが擬似ベーシックインカムとして社会の中で利用される可能性は十分にありえます。

そこで、生活保護や障害年金がベーシックインカムとして機能する未来について今回は書いていきたいと思います。

生活保護をベーシックインカムとして利用するメリット、デメリット

まず生活保護という制度について見ていきたいと思いますが、生活保護とベーシックインカムには大きな違いがあります。

それは資産の蓄積ができるか否かという点です。生活保護は貯金額がある程度まで行くとケースワーカーから指導が入るというのを聞いたことがあります。

つまり、一定以上の貯蓄ができないという事実があります。また、株式投資などもできないので、資産の貯蓄に関しては厳しい制限があります。

それに比べてベーシックインカムは資産の貯蓄が可能です。もちろん不動産投資や株式投資などによって資産を運用することが可能なので、将来に備えることができます。

ただ、それ以外の点はベーシックインカム以上の待遇が用意されていると言えるでしょう。たとえば住居費として5万円近くの金額をもらえたり、医療費がタダだったりします。

日本の福祉制度の最後の砦とだけあって、全く働く必要のない点はベーシックインカムに勝るとも劣らない点でしょう。

また受給のしやすさという点でもベーシックインカムに劣りません。基本的に生活保護は資産がなく、定期的な収入が見込めない人であれば誰でも受給することができます。

そういう意味ではベーシックインカムに最も近い制度ということができます。

障害年金をベーシックインカムとして利用するメリット、デメリット

次に障害年金の制度について見ていきましょう。障害年金は本来障害を持っていなければ受給することはできないので、そこはベーシックインカムに大きく劣る点でしょう。

誰もがもらえるベーシックインカムと比べて申請の難易度も高いですから、受給のしやすさという点で大きな差があります。

例えば精神疾患の場合だと、2年から5年に1回更新があるので、その度に更新されないと受給し続けることができません。

いつ年金を停止されるかわからないという点ではベーシックインカムとして利用するのはむずかいと言わざるを得ないでしょう。

ただし、障害年金は資産の貯蓄や運用が可能です。障害年金を元手に不動産投資や株式投資などを行うことができる点は評価すべきでしょう。

また、生活保護と違って、働いて収入を得た場合にも受給額が減らされません。よって働いて賃金を得て生活している人の場合だと、ベーシックインカムに最も近い制度だということができます。

障害年金と生活保護のどちらがベーシックインカムとして優秀か

では障害年金と生活保護のどちらがベーシックインカムとして優秀なのでしょうか。これは場合によって変わると思っています。

例えば働いて賃金を得ている人の場合は資産運用のしやすさや資産上限がない方が良いことを考えると障害年金のほうが優秀であるということができます。

それにたいして、全く働きたくない人や病気や障害によって働きたくない人にとっては生活保護の方がベーシックインカムとしてうまく機能するでしょう。

生活保護はそれだけで生活を成り立たせることができるので、働くことができない、もしくは働きたくない人にとってはベーシックインカムとしてきちんと機能すると思います。

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