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間違い電話に罪はないけど

ある晩。
晩といっても夜中の3時くらいのこと、
寝静まっているわが家に、
突然電話のベルが鳴り響きました。

「もしもし」←(女性の声)
「はい。satoです」←(わたし)
「え?」ガチャン!←(女性)

おいおい!間違い電話かよ!それにしても、
「え?ガチャン」は、ねえだろっ!

しかしそれは始まりにしか過ぎなかったのです。

次の日、午前4時頃。
トゥルルル…「ふぁい、sato…」ガチャン!
「ま、またかよ」
その次の日。トゥルルル「ガチャン」
お、おいっ!!

おかしい…これは偶然とは思えない…
誰かが…わざとやっている。
しかも必ず…お・ん・な…
ストーカーか?…しかし、自慢じゃないが、
心当たりはカケラもない。
恨まれたか…別にひとに恨まれる覚えは…

このあいだの
「マンション買いませんか?」
「そんな金無いわい!」
の電話があまりにもココロなかったか…
アタマの中には
さまざまな憶測が駆けめぐります。

しかし、妙に気になるのは、
電話をかけた女のヒトも
「驚いている」ということ。

聞いた感じでは「同じヒト」とは思えない。
…とすると、恨みを持つ誰かが、
女のヒトに嘘の番号を教えて、
ウチに電話をかけさせているのか?

想像してもラチがあきません。
彼女たちがどこにかけているのか、
つきとめなくては。…その晩

午前3時45分頃、トゥルルル…
「もしもし」←(女性)
「…」←(オレ)
(○○ですか?と、いう言葉を待っている)

「あれ?おかしいなあ…ガチャ」←(女性)
おいーーーっ

こうなったら直に話を聞くしか手はありません。

午前4時15分頃、
トゥルルル…「もしもし」←(女性)
「satoです」←(オレ)
「あ、すいません、間違えま…」←(女性)
「ちょっと待ってくれ!き、切らないで」
「は?」
「す、すいません。どちらにおかけですか?」
「…プワゾンです。すいませんでし…」
「あ!あの、プワゾンって!?」
「お店です。錦糸町の…」
「え?え?あの、お店って」
ガチャ

向こうが間違えてるのに、
こっちが卑屈にならなくても
いいとは思うのですが、
なんだか隙あらば切ろうとしてる感じで、
つい頼み込むような態度になってしまいました。
それでも聞き出せたのはここまでです。

ここまでわかるのに、
実は2ヶ月くらいかかっています。
そして間違い電話は、
ある日ばったりと途絶えました。

一応、簡単に調べましたが、
プワゾンというお店は発見できませんでした。
そしてこのお店のナゾは未だに解けていません。

以上の事実から推測できることは

1.名前からしてこのお店はかなりヤバげである。

2.つねに女のヒトがかけている、ということは、
そこに自分の電話番号を言い触らす
チャラけた男が働いている。(ホストクラブ?)

3.そいつがウソの電話番号を言い触らした。
(しかし、この頻度からするとかなりの強者か)

4.もしくは、この店で女性を募集していた。
(よく電柱なんかに貼り紙してるやつ)
その電話番号が間違っていた。これなら
ある時期ばったりと止まることにも納得がゆく。
しかしこれも、この頻度からすると、
そうとうの人気店か、
高収入であることが予想される。

まあ真剣に調べれば
店のこととかわかるんでしょうが
ヤバい世界に足突っ込むのも怖いので
やめときます。
詐欺とかじゃなくてよかったってことで。

しかしプワゾンとはよく言ったもので、
連日の間違い電話って
毒撒き散らしてるっぽいよね。

次回の言葉は「ゲットする」です。

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