グレートと言われるほどのアレじゃなし
グレートなヤツ
意味を失ったわけではないのに、
ちょっと違う扱われ方をするコトバがある。
たとえば「グレート」なんかがそうだ。
「グレートなヤツ」って言われたら、
ちょっとムッとするでしょ。
ホントなら誉められているはずなのに…
これっていつからそうなったんだろう。
「グレートマジンガー」のころは
そんなことなかった。
矢沢が「オレってグレート」って言ったころも
みんなマジに受け取っていたはずだ。
多分、この矢沢の物まねを
誰かがするようになったころから
意味がだんだん変わってきたんだな。きっと…
いやいや、「グレート子鹿」なんて、
最初からちょっとヘンな感じだったかも。
(誰も知らないかもしれないが…)
だとすると相当歴史的には古いぞ。
今やこの言葉は
「あまりにすごくてちょっとバカ」
という意味で普通に使われている。
そんなこと辞書にも載っていないだろうし
誰かが宣言したわけでもない。
なのにみんなちゃんと理解して使用している。
不思議なもんだ。
日本人は褒めない
日本語にはもともと褒める言葉が少ない。
だから何でも「ヤバい」で済まそうとする。
それが奥ゆかしさなのか、
他人を認めたくない器の小ささなのか、
偉い人をそもそも敬ってないのかわからんが、
なぜか褒めるのは小っ恥ずかしいと思ってる。
一方で英語にはやたらある。
nice、goodから始まって、
wonderful、amazing、excellent、fantastic…
やたらとあるがちょっとづつニュアンスは違って
日本人は重宝して普通に使ってたりする。
これを日本語にしちゃうと
みんな「素晴らしい」になっちゃう。
驚異的な、とか卓越した、とか、
会話としては使いづらいもんな。
やっぱ小っ恥ずかしい。
それでも人は褒められたい
「先生と言われるほどの馬鹿でなし」
って言葉がある。
学校の先生とかお医者さんじゃない先生ね。
政治家とか。
これ、ホント言われたくないよね。
まあ言われることないけど。
怖いのは、
言われてうれしい人がいるってことね。
だからこういう言葉があるんだと思うけど。
自分は偉いんだ、ということを確認したい。
褒めて褒めて、って人がいっぱいいるわけで
まあそういう人にはなりたくないわな。
逆に言えば、
先に生まれてればみんな先生なんで、
俺なんか相当、先生度が上がってる。
グレートな先生様を目指してみるか。