中判デジタルカメラ購入記という名の長い長い言い訳 補遺


2023/12/06 諸般の事情で記事タイトルを変更

後悔しているのか?

前回、前々回の投稿を読んだ妻氏がそんなようなことを言っていたので補足しておくと
「やってしまった」とは思っているが、後悔はしていない
後悔するとしたら、届いて、使ってそれからだと思います…
重い機材って「帰り道」が辛いんですよね…

中判デジタルカメラという存在

あまりにもフランクに前回の記事で書いてしまったような気がするんですが、アレ読んで「あー」ってなるのは
・週に複数回デ〇カ〇watchや△ジ△メinfoを読んで
・月に1回は価■comやJカ□ラで次に買う機材を妄想している
カメオタぐらいなもので(しかも特定メーカー・マウントに絞っていないタイプ)
あまりにも不親切かなって思ったので補足を書いておきます。わざわざこんな場末の記事を読んでいる時点で、わかる人しか残っていないような気もしますが、そこは気付かなかったフリをします。

そもそも、デジタルに限らず「カメラ」というものは
「レンズ」と「箱」と「撮像」でできています。(厳密に言うとレンズレスカメラの研究なども世の中には存在しますが略)

それぞれ簡単に解説すると

  • 「レンズ」…外界の光景を撮像に像として結ぶもの

  • 「箱」…「レンズ」と「撮像」を繋げるもの。場合によっては機能を付与したりする。「カメラ」の語源はコレ(厳密に言うと「部屋」なんですが略)

  • 「撮像」…レンズが結んだ像を記録するもの。アナログ手段だと銀板とかフィルム、デジタル手段だとCCD/CMOSイメージセンサ(その昔LBCASTという第3のイメージセンサを開発したメーカーが略)。基本的にここが大きい程高画質なんだけど、トレードオフで取り回しが悪くなる。

で、「中判」というのはフィルム時代、「大判」と「小判※=ライカ判以下」の間のサイズのフィルムのことを指していて
そのサイズのフィルムを使うカメラを「中判カメラ」と呼んだのでした
「大判」よりは機動性に優れていて「小判」よりは高画質
風景写真とかコマーシャル写真とかポートレートとかに使われていたようです。(当方カメラユーザーとしては実質デジタルネイティブなのでフィルム時代のことはハッキリ知りません)
※流れで書いたけど「小判」という呼び方はほぼ使われていないと思います

で、カメラのデジタル化が進んだ昨今。一般的使用においてはまあ10Mかもう少し画素数があれば普通の用は足りる、と言われていると思いますが
「そんなんじゃ全然足りねぇ」という方達がいます
具体的には

  • コマーシャル系

  • 文化財、芸術記録

  • 大伸ばし(風景とか

辺りで、フィルム時代は中判や大判を使っていた方達です。
こういった方達向けに
元々中判カメラを作っていたメーカーや新規参入組が作ったのが
ライカ判より大きなイメージセンサを持つ「中判デジタルカメラ」
です。

というわけでまったくもってコンシューマユーザのことは考えていない存在でして(ペンタックスはやや例外)、CMもやってないし、プロカメラマンもスタジオ内や美術館/博物館や人知れぬ秘境で使っているので一般人はお目にかかる機会もなく
数が出ないのでお値段は時期とクラスに寄りますが基本的に新車が買えます

カメオタの人としては、
・存在は知っていて
・出てくる画も多少は知っていて
・でも使ったことはない(触ったこともない
・自分が買える存在だとは思っていなかった
みたいな存在なのです。
他のジャンルに例えると、
・ベーゼンドルファーインペリアル(ピアノ、デカくて高い、触る機会は稀にある)
・ロールスロイス(車、デカくて高い、乗る機会は作ればなくもない、か?)
・都心のタワマン(略
みたいな存在ですね。で、それが業界の変化で旧モデル(中古)だけど手の届く値段で出てきちゃったわけですよ

そもそもイメージセンサって

これも説明が必要な気がしたので触れておきます。

同世代より古い人は「写真フィルムに相当する電気部品」って言えばだいたいわかってくれたんですが、若い人(特に「カメラ」をスマートフォンやタブレットでしか知らない人)はしんどい気がする。
要するにレンズが結んだ像(義務教育で実像/虚像ってやりましたね、アレ)を電気信号と画像データに変えてくれる部品です。

これ以上はめんどくさいので略
(わざわざ章立てすることもなかったな)

イメージセンサ/フィルムサイズ比較

「大判」「中判」「ライカ判以下(小判)」のサイズ感はこんな感じ

大判、中判、ライカ判以下のサイズ比較

「フルサイズ」とか言ってイキってるフォーマット(ライカ判のこと)のなんと小さいことでしょう…(集積回路部品としては異常なデカさで半導体屋さんは大変らしいが)

ちなみにスマホカメラの場合最大サイズが1(インチ) 13.2x8.8mmで、一般的には1/2.3(インチ) 6.2x4.7mmかもう少し小さいぐらい。

ライカブランドで売っているLeitz Phone2
メインイメージセンサは1インチ

中判デジタルの場合最大サイズが54x40mmぐらいなので645判より若干小さいぐらい。2009年ぐらいまでは49x36.7mmが最大サイズでした。
現在は44x33mmが主流でフジとハッセルのミラーレスはこのサイズ。メーカー自身が「ラージフォーマット」(F社談)と呼ぶのはちょっとどうかな、と思います。フィルム写真で「ラージ(フォーマット)」と言うと大判を指すので。

F社システム紹介ページより

ちなみに世の中には大判デジタルカメラという超変態機も存在しまして、4x5で2600USD、8x10(9x11?)で9000USDです。そもそもシリコンウェハーの直径が最大30cmなんでどう頑張っても8x10は1枚しか取れないんですが、ICだとまあこんな値段で収まるとは思えないんですがどうなんでしょうか?
ICではなくてフォトダイオード並べてるんですかね?(知らない)

LargeSence社 ハイエンドカメラLS911(9x11インチ撮像?)

一眼レフ、ミラーレス、レンジファインダー

ファインダー形式によるカメラの分類です。たぶん絵図を書いて説明するのが一番なんですが、画力がないのと図を書き出すとめちゃくちゃ時間がかかるので…文字だけで説明します。細かいことはググってください

一眼レフ
1960年代以降に主に日本で進化した形式、被写体を見てピントを合わせるレンズと撮影を1つのレンズで行うのでこう呼ぶ(もともとは二眼レフに対する概念)
いろんな機能を追加する余地があったのと初期デジタルに対して親和性が比較的高かったのでごく最近まで高機能なレンズ交換式カメラのメインストリームだった。

ASAHI PENTAX SP 1964年発売 TTL露出計内蔵の普及カメラ
この辺りから「一眼レフ」がレンズ交換カメラの覇権を…

ミラーレス
2008年Panasonic Lumix G1から始まった、一眼レフに対してミラーを除去してライブビューでピントを合わせて写真を撮るカメラ。
原理的にはそれ以前のコンパクトデジタルカメラと原理的には同じ、この時期にようやくフルタイムライブビューが消費電力と発熱量的に許容レベルになってきたことで作られたと考えられる。
ミラーとプリズムがないことによって軽く・安く・小さくできるという大正義があり、結局「一眼レフ」をほぼ駆逐してしまった…

Panasonic LUMIX G1 2008年発売
実用に耐えるファインダ、AF、画質でレンズ含めたシステムとして圧倒的な小ささ
広告の打ち方は少々どうかと思ったが…

レンジファインダー
レンズのピント位置に連動する(光学視差)距離計を内蔵するカメラ
フレーミングファインダーと測距ファインダーが一体になっているもの(一眼式)と別になっているもの(二眼式)がある
機械的精度の要求が厳しい、望遠とマクロで原理的にピント合わせが難しいというネガティブ要素と、本邦一眼レフのあくなき性能・機能向上の前にライカを除くメーカーは絶滅(割と最近までコシナが作っていましたが)。
一眼レフより軽く小さいというメリットがあったのですがミラーレスの台頭によりそれもなくなった…んだけどライカはもはやそういう商売ではないので、恐らくこの先も続いていくものと思われます

Leica M6 2022年に復刻ながら新製品として登場したフィルムカメラ

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