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「ぐるり」の野菜の育て方

2018年11月掲載
文:ぐるり農園 小山高人
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みなさんこんにちは、ぐるり農園の小山高人です。

里の市やハラペコあおむしさんを通じて、たくさんの人に野菜やお米を食べていただいてます。

いつもありがとうございます。

僕は人見知りなので、だいたい妻である萌愛さんのやや後ろにいます。もしくは畑や田んぼにいます。

なので今回は農園と自分のことを少し書かせてもらいます。


△大根の種


種はできるだけ自家採種しています(萌愛さんが)。友人知人から引き継いだ茄子やピーマンが今年は活躍してくれました。ほかにも、じゃが芋、南瓜、ゴーヤ、胡瓜、ミニトマト、網干メロンなどなど。

発芽してもすぐ枯れてしまったり、収穫までできなかった在来種も多々あり、毎年その中でこの土地に合いそうな野菜をつないでいます。

ぐるりでは年間約50品目の野菜を育てていて、すべての野菜を種採りできているわけではありません。ですが購入種子も出来るだけF1ではなく、かつ消毒していない種子を選んでいます。

野菜の育苗もしています。夏野菜に関しては、2月から仕込むので米ぬかと落ち葉の発酵熱を利用して苗が寒さで枯れないようにして育てています。

野菜は農薬や化学肥料を使わずに、米ぬかや愛農学園の堆肥など、近隣で手に入る材料を中心に与えて育てています。あとは作物の生育にあわせて不足していそうな養分(例えば貝化石など)を必要に応じて補っています。

お米に関しては無農薬、無化学肥料で育った「ぐるり米」と、減農薬栽培の「ご近所米」の2種類を育てています。

すべて「ぐるり米」にしたいという思いはありつつ、地域の担い手としてしっかりした水田面積を作付けながら、たくさんの人に食べてほしいという思いもあるので「ご近所米」も大切に育てています。


香川県から北海道やラオス国まで、栽培方法問わず様々な農家さんのところで旅をしながら働いてきて、3年前の結婚と同時期にこの地で就農し、農業中心の生活が10年以上経ちました。

今でも親身に応援してくれている慣行(一般的な栽培方法)農家のご家族や、独立祝いに看板を掘ってくれた有機農家の恩師、農業機械一式をいつでも気軽に貸してくれる地主さんなど、いろんな方たちと一緒に働きながらたくさんのことを教わりました。

これは一般論ではなく僕個人の経験ですが、慣行農家で素晴らしい人もいるし、自然農家でとても独善的な人もいます。その逆も。そしてその人のことを大切に思う人もいれば苦手に思う人もいます。

「自然栽培だから」「農薬を使ってるから」ではなく、自分が直接かかわって、どう感じ、どう考えるか。そしてどう動くかということが僕は必要な気がしています。

最近はそんなつながりの中で、大切な人たちに支えられながら生活をすることができて、とても幸せに暮らしています。

好きな作家が「どんな仕事も10年続けりゃものになる」っていってましたがどうでしょうか。

僕自身まだまだ粗削りな感じですが、家族とともに少しずつ成長して、出来るかぎり自然環境と調和しながら健康で美味しい食べ物を生産し、買いやすく売りやすい価格で様々な方たちとかかわりつつ、持続可能な生活ができるような農家になりたいと思っています。

今後ともよろしくお願いいたします。 里の市が皆さんにとって良い糧となりますように。


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