【創作物】Dear… ep.4
※本人とは全く関係ないのです。
※こんな青春ドラマが見たいんですw
※ほぼ下書きですw
※ ※ ※
俺はいわゆる【試験管ベイビー】ってやつだ。遺伝子を解析して一番良い相性の精子と卵子を組み合わせて優れた子どもを作る。さらに脳にマイクロチップを赤子のうちに埋め込んで作られたのが俺たちだった。何人か俺みたいな作られ方したヤツが居たみたいだけど別の研究所に居るらしく会ったことはない。運が良いか悪いかはわからないけど医学に長けてた俺は10歳で医学のスペシャリストとして注目を浴びた。ただ、足を引っ張るヤツも多かったらしくその後の研究については俺の名前を伏せて研究所として発表するようになった。
同い年のヤツが俺の名前知っていると思わなかったし正直驚いた。
「で、なんでなん?」
「普通の学校生活がしてみたかったんだよ」
「はぁ?」
「ずーっと研究所で研究してて、スランプ?ってやつになったみたいでさ」
それっぽい言い訳を言ってみる。ほんとの理由なんて知らなくて良い。知る必要がない。
「それで?」
「学校でも行って気分転換。でもさー、せっかく仲良くなりたいって思ったヤツは全然つれなくてさー」
「別のヤツ誘えばえぇやん」
「わかんないけど、ビビビってきたのよ。文哉と仲良くなりたいって、そして」
「して?」
「君とも仲良くなりたいよ。中川くん。」
俺がとびきりの笑顔で手を差し出すと中川くんは不思議そうな顔をして手を眺めていた。
「なんで、俺なん?」
「いや、俺が仲良くなりたいって思ったからだよ」
「俺以外もいっぱい居るやん。なんで俺らなん?」
中川くんが少しうつむきながら我慢しながら少し震えた声で聞いてきた。
平気なフリなんて気がついていた。もうとっくに中川くんも壊れていたんだ。心が…
救うなんて大それたことは言わない。
ただ俺は、仲良くなりたいって本気で思った。最初で最期の友達に…
「だって、だって2人とも。2人とも良いヤツじゃん。他人のせいにすることだって出来た。どう考えても体罰教師が悪いのに、最後の最後まで真っ向から立ち向かった。そんな強さと優しさ、俺はすごいと思ったんだよ。」
「すごくないよ。すごくなんかないんよ。だって俺は…」
「ずっと文哉を守ってるじゃん」
中川くんがはっとした表情をした。
「文哉は中川くんを責めてないよ。ずっとずっと窓の外を見て待ってるじゃん。」
「っでも…」
「キミは文哉を守ろうとしてる。文哉はキミを思い続けてる。大丈夫、世界はきっと君たちの味方だよ。」
俺の言葉に少しなにかを考えている。少しの間無言な時間があった末、諦めたような声で切り出した。
「…不思議やな、お前」
「何が?」
「俺、お前の事見くびってたわ」
「えっ?」
「頭がえぇだけのヤツがふざけてるんやと思ってた。でも…」
フワッと前髪をかき上げて、優しく笑った。
「お前の事、信じてみたくなったわ。」
そして、スッと俺の前に手を差し出した。
「友達、俺でもえぇか?」
「ばかだなぁ、中川くんが良いんだよ」
そういって手を握る。熱を帯び汗ばんだ手が今までの緊張を物語っていた。
「勝でえぇよ」
「俺も秀太でいいよ」
「せやな、よろしく秀太」
「よろしく、勝くん」
それから初めてスマホのメッセージアプリのID交換をした。嬉しすぎてスマホをずっと眺めてたら、そこまで喜ぶことかと勝くんが笑った。俺も一緒に笑って、あぁこういうのこういうのって思っていた。
俺がうきうきで家に帰ると、いつも通り康祐くんの部屋へ。康祐くんがパソコンに向いたまま「どうだった?」って聞いてきた。俺は勝くんと仲良くなれたことを話しながら、部屋の様子やパソコンの表示があまり代わってないことに気付く。
あぁ、康祐くん、俺のことが心配でなにも手がつかなかったのかな?
そんな不器用な兄貴分がかわいいなぁ、何て思いながら。でも、そう思ってることは絶対教えてあげない。
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