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Candy_05

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2016年7月の記事一覧

真夏のこと少し懐かしくなってきたのは
もう私が歳とってしまったから

いつかのために
その時のために
わたしは季節も忘れるほど忙しく

ファンデーション
アイシャドウ
ルージュにマニキュア、香水
ランジェリーからハイヒールの足音まで

君の五感を全部
すっかり奪ってしまいたいから、だから

永遠を探しに行き
戻ってこない
その人を待つあいだに
わたしは何度
生まれ変わったのか

終電間近のこの街が
ふいに小さく感じられて
背中の羽がすこし震えた

どの街も、どの人も
わたしに興味がない

無題

感情の縁が尖ってきて
心に滑り込むような霧は
まだ見えてる

私を生かす人がいないよ、もう
生きてるけど生きてるけど
つま先から浮世に染まってきた
嗚呼

名のつけられたあらゆる関係に
ずうっと絶望しています本当は。

これが彼に彼等に言い切れたなら
そんな残酷な真似しないであげるよ
だって彼等は信じてるから

私を落とす人がいないよ、もう
夏も盛りに差し掛かる
夕暮れの苦しさ
嗚呼、戻らぬ

満たされない気がして
報酬に手をつける
嫌われることを面白がるあたしの方が
君は好きだった?
あたしは好きだった

昔からちゃんとしてる
騙されないし、失敗しない
長い髪のくせに
ボーイッシュなんて評された
あの子

ほしいものは絶対手に入れるよ
今でも変わらない姿勢が愛しい

なくしものが大切で
だから信じきれないほどの奇跡が
今に目の前で炸裂するの
きっとそう

世界情勢がゴシップに阻まれる
完璧に紺碧の七月
みんな眠れば忘れてしまう
謎が解けないまま忘れてしまう

探しにいきたい
あなたを好きだった夏のこと

心を揺さぶる全てを避けたい
コンクリートジャングルは怪しい人だらけ
ひと夏ごとに君に近づいてく
全部私のせいにしていいから