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感性のはなし

感性を大事にしたい.
感性を育てたい.
教育において、芸術において、あらゆる分野において言われていること.

先日、専門学校の学生さん向けにボイストレーニングの講義をしました.
アイスブレイクに問いかけてみました.
「皆さんが”好きだなと感じる声”はどんな声でしょうか?」
するとチャットには多種多様な”好きな声”が飛び交いました.

元気でハキハキとした声
柔らかくて安心する声
透明感がある透き通った声
男性の色気がある声
優しい声

本当にたくさん、誰一人として被ることはありませんでした.
この問いかけをした理由は3つ.
純粋に受講している方々のことが知りたい.
もう一つは受講者に「参加意識、当事者意識を持たせていく」
そして3つ目は、比較的ハードルが低い(あまり頭をひねらなくて良い)問いをウォーミングアップで入れていくことで、その後の講義に興味を持ってもらう.
少し話しがそれましたが、特にオンライン講義においては重要な役割があるのです.

さて、感性のはなし

子どもの”好き”をどんどん一緒に見つけていく.
それは、歌が好きとかダンスが好きよりも”もっと具体的な”その人の好きを見つけていくこと.

子どもたちとのレッスンでは常に”どう感じる?”
”この曲好き?”
とよく聞きます.
何が”いいな”と感じているのか
何を”好きだな”と感じているのか
大人ももちろん同じです.

音楽において、それは非常に見つけやすいのです.
例えば、ゆっくりな曲が好きだとか、女性の声が好きだとか、明るい音色が好きだとか、ピアノの音が好きだとか、チェロの響きが好きだとか.
そういったことを大切にしていく、つまり”見逃さない”
ピアノの音のどんなところが好きなの?
これに子どもたちは自分の言葉で一生懸命伝えようとします.

音楽では、ゆったりとした明るくてピアノの音がたくさん聴こえる曲が好き.
国語では、物語の主人公が勇敢でみんなのヒーローになっていくお話しが好き.
なんでそれが”いい”のか”好き”なのか
”だって楽しくて嬉しい気持ちになるから”
それがその人の”感性”です
それを どのように ”感じているのか”

同じ曲を聴いても
同じ絵を見ても
何を感じているかは”人それぞれ”
その”好き”の集合体、”何を感じているか”
ここに個性がある.
だって、一人一人それは違いますから.
そこに正解はありませんよね.

子どもの頃から、自分は”何が好き”で”何を感じているのか”
を大事にしていく経験を重ねて
やがては”自分にしかできないこと”を見つけていく.
自覚していく.

好きなことがわからない
好きだけど、これ以上どう伸ばしていけばいいかわからない
ということもあるでしょう.

誰かが”あなたは何が好きなの?”
何が気になる?
嫌いなことやものは?
と自分に興味を持ってくれる人がいるというのは安心するんです.
そこに真心があるならば.
ただ聞けばいい、ロジックで考えているうちはそれも相手に伝わります.

出会った目の前のかけがえのない一人の”感性”を大切に育んでいきたい.

そして、その感性を磨き養い見つけていくには、やはり多くの”ものやことや人”に触れていく経験が大切.

私は母のお腹にいる頃から、クラシック、洋楽、JPOPを聴き、家に帰ると祖母がJAZZなんかをいつも流していました.
ディスニーや多くの舞台を観て聴いて、触れてきたから今があるのだなぁと.
今はいろいろなツールがありますから、それらに触れるハードルもそこまで高くはないのだと思います.

感性を掘り下げていくには、真心と、教育者としての経験が生きていくところです.
なかなか人見知りして先生とお話しできない、お友達に上手く伝えられない、だからこそ鋭く敏感な感性を持っているかもしれない.

見逃さずに引き出して、伸ばしていきたいですね.
何も感じていないのではなく、言語化やまとめることが苦手な場合もあります.
歌のレッスンではそういった一人一人のことをよくよく知り、こちらも学びながらレッスンを進めています.

大人になった今もまだまだ自分の感性を磨いていきたいと思うのでした.

おやすみなさい🌙





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