里見蘭

小説家。漫画原作者。現在小学館のウェブサイト「小説丸」にて弁護士を主人公とした『漂白』という小説を連載中。→小説丸『漂白』目次https://www.shosetsu-maru.com/rensai/hyohaku こちらでは好きなことを書く予定です。
  • 夢も希望も金もない、売れない作家のおっさんが、ふとしたことから過去へタイムスリップする能力を身につけ、ひたすら当時のB級

『ノスタル飯(めし)』       第一話「昭和十年 神田區(く)神保町の天丼」後編

(中編はこちら)      6  ここで俺は少し我に返って自分が置かれているのがどんな状況なのか考えた。明晰夢、というのが一番ありそうな答えだった。俺には夢遊病...

『ノスタル飯(めし)』       第一話「昭和十年 神田區(く)神保町の天丼」中編

(前編はこちら)      3 「失礼します」 「おう、おつかれ」  夕方五時半。現場監督に挨拶して着替えた俺は、現場をあとにして最寄り駅へと歩く。  駅前には...

『ノスタル飯(めし)』       第一話「昭和十年 神田區(く)神保町の天丼」前編

1  建設現場で働く人間にはヒエラルキーがある。一番偉いのは建設会社の現場監督。職人では、大工。鉄筋のマンションなんかだと型枠大工だろうか。昔ながらの職業差別み...