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営業センスどころか、営業テクニックも要らない?

先日、ある営業マンFさんから電話があり、
「B部長から、『俺が今まで見てきた営業マンの中で断トツのセールストークを持つ川端さんにセールストークに使う営業テクニックを伝授してもらうように』と言われたんで、教えてもらえませんか」と言われた。
私は「どう話したら分かりやすいかと考えながら話すことくらいです。でも、営業テクニックなんか必要ありません。そんなことを考えるより、自分が上手く話せないという条件でどうやったら売上が上がるかを考える方が合理的です。」と答えた。
だがFさんはなおも食い下がった。
「川端さん、そんなこと言わずにビジネス書や営業ハウツー本などで紹介されている営業テクニックを教えてくださいよ。例えば、顧客にYESと言わせるような質問をしてから本題に入るとか、選択肢を複数用意して選ばせるとかそういうものでいいので・・・」

※この場合の営業テクニックとは心理学を営業の場面に活用した技法のこと。因みに、営業センスとは、話が上手かったり、商談相手の状況を見極めるなどの力が先天的に高いことを言う。

私はいろんなやり方や考え方があるから、営業の仕事は面白いと思っている。また、お客様から見ても営業マンの話し方に巧拙の差があるのも事実だ。しかし、


この手のいわゆる営業テクニックと言われているモノについては私はあまり重要視していない


何故なら、そうしたテクニックの類は商談相手の気持ちの状態(多忙か時間的にゆとりがあるか、機嫌がいいか悪いか)、もっと言うなら商談相手があなたに好意を持っていて、商談に臨んでいるかどうかということに比べると影響力は極めて小さいからだ。

だから、付け焼刃の営業テクニックを駆使し商談をコントロールしようなどとは思わずに、人間として営業マンとして信頼された状態で商談に入るよう努める方がよほど合理的だと思う。そうしたことを積み上げていけば、自分の性格やキャラクターにあったセールストークや営業テクニックは自然と身につくものだ。それは時間をかけてゆっくりでもいいと思う。なぜなら、営業テクニックはあっても困らないが、無くても困らない程度のものだからだ。

以前ブログで営業センスもコミュニケーション能力も要らないと言ったが、素晴らしいセールストークも相手の気持ちを操ることのできる営業テクニックも要らないと言っているのはそうした理由だ。

それでは何が必要かと言ったら、人間として真面目に仕事にもお客様にも向き合い、約束を守る、迷惑をかけたら謝る、出来ないことは出来ない理由をきちんと説明して出来ないと伝えるという当たり前のことを地道に続けることだ。

でも、こうしたことが営業の現場できちんと出来る人がどれだけいるかと言ったら、実はあまりいない

また、こうした基本的なことを確実に出来る人が結果を出せる営業マンの共通点であり、営業センスや営業テクニックが無くともトップセールスになれる人がいくらでもいるのはそういうことだ。

だから、説明がどうしても上手くなれないあなたにも希望はあるし、説明が上手な方も敗北のリスクは常にある、それが営業の世界の現実だ。

私が仕事でいつも心掛けている3つのことを最後に紹介したい。
1、まず 簡単なことをやる、出来ることを確実にやる
2、 それを何のためにやるのかを考える
3、 常識に縛られない

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