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『横浜謎解き街歩き』 クリアしました

 さすが横浜、一日いても全く飽きない。

 SCRAPさんが展開する、街を舞台にした屋外周遊型謎解きタイトル。下北沢・吉祥寺に続いて、横浜が満を持して登場です。
 ……と言うと、主に神奈川県民の皆様はこう言うはず。「横浜って、どこの!?」
 そう、「横浜」という地名が指すエリアは広大です。ガチの横浜市および周辺を拠点とする人と、そうでない人とでは、「横浜」という単語が意味するエリアは全然違います。今回の「横浜」は、横浜に詳しくない人がイメージするヨコハマです。そう、あの辺りです。あとはわかるな?

 街歩き系謎解きを数多く手がけるSCRAPさんのタイトルなので、非常に手堅い作りでした。そしてヨコハマ、面白いものがいくらでもあるので、街歩き体験のクォリティが半端ではありません。
 もちろん下北沢も吉祥寺も楽しい街ですが、横浜は楽しさのバリエーションの幅がすごい。グルメ、買い物、歴史、文化、絶景、アトラクション、自然、映え。ジャンルも多いし雰囲気の方向性も多様なので、誰もが何かひとつは自分に刺さるものを見つけられるはずです。
 その「何かひとつ」を見つけるきっかけとして、とても楽しい謎解きになっていると思います。

 今回は謎解き慣れした友人たちも一緒に、4人で12:30頃から挑戦して、お店をあれこれ巡ったり、美味しい夕食をたらふく食べたりして、最後の大謎を次の日に自宅で解いてクリア、という感じで遊びました。
 楽しかった〜!……のですが、『地下迷宮に眠る謎2023』に引き続き、正直ちょっと……と感じる部分もあったので、そこは気をつけないといけないかなぁと思います。


オススメポイント

  • ストーリーは特にありません。案内人のMr.ヨコハマに導かれ、ヨコハマのあそこやあそこを存分に歩き回る内容になっております。

  • 座ってガッツリ謎を解くパートと、歩き回ってヒントを見つけるパートがしっかり分かれており、それがプログラムに明示されるので、食事や休憩の予定が立てやすく、観光との両立が非常にやりやすい謎解きになっています。

  • 一番最初に解く謎は、何なら自宅でやっても大丈夫です。なので、観光の時間をたっぷり取りたいなら、謎解きキットを事前購入して、前日などにそこまで解いてから、満を持して街に繰り出すのがよいでしょう。

  • 行く場所は、横浜にちょっとでも予備知識があるなら100人中99人が予想するであろう場所なので、そういう意味では意外性はないです。しかし前述の通り横浜は楽しみの幅が半端ではないので、意外性がないことが全くマイナスになっていません。大物の余裕を感じさせる。

ここを気をつけるといいよ

  • 後半は、暗くなってくる時間だと難易度が爆上がりします。
    なので、できれば夕方よりも前に後半にたどりついておきたい訳ですが、なかなかの手応えの謎を解かないといけないですし、お店をあれこれ楽しもうとすると、時間はあっという間に溶けます。

  • なので、日が暮れるのが早い冬に解くのは、謎解き慣れしてない人は大変だと思います。何日かに分けてやるか、日が長い季節に挑戦するのがよさそうです。

  • 今年は暖冬ということもあり、寒さをほとんど感じない、むしろ暑い(笑)みたいな場面も多かったですが、横浜は結構海からの潮風が吹きますので、風対策は意識した方がいいです。キットのパーツや、帽子やアクセサリーなどが吹っ飛ぶと泣けます。

  • マスキングテープの持ち込みは必須です。はっきり言ってオススメとかいうレベルではないです。必須です。もうプログラムキットに明示するべきではないかというほどに必要です。なしで解いた勇者は尊敬する。

  • 巡る場所は、人気の観光地ですので、基本的に大混雑します。恐らくこのプログラムのネックのひとつが、座る場所の確保になると思います。
    途中で、テーブルがないところで解くのはまず不可能なパートが挟まります。公園とか道端にしゃがみこんで膝の上でやるという屋外周遊あるあるメソッドでは、ちょっと歯が立たない工作です。ので、お店に入るのは必須なのですが、いざお店に入ろうとしたらどこも入れないという事態も十分ありえます。
    特に土日祝に遊ぶ場合、謎解きキットで紹介されているお店はまず入れないと思った方がいいです。われわれも、結局チェーン系コーヒーショップにギリギリ席を確保した有り様でした。
    あなたが平日に遊べる幸運な方なら、平日に遊ぶのを強く推奨します……!

  • 最後の大謎は、「どこでも解ける謎です」と明示されていますが、横浜にいなくてもいいという意味であって、場所を選ばない謎ではありません。
    必ず、必ず!!「他にモノを置いていない広いテーブルのある場所で、マスキングテープを使える状態で」解きましょう。具体的には自宅だ。レストランやカフェで解くのは、不可能とは言いませんが非常に大変だと思います。

ちょっとどうかなと思った難点

  • 今回の謎は『地下迷宮に眠る謎2023』ほど不親切・理不尽という要素は少なかったのですが……工作系謎が、あまりにキツイと感じました。前述した通り、マステ持参は必須です。キットの中に用意されているシールでは全く足りないです。

  • 途中で解く工作謎も、他のタイトルならもはや最終問題になるのでは?と思う難易度の工作です。それを混雑したカフェの小さなテーブルで四苦八苦しながら組み立てるのは、かなり大変です。

  • しかし最後に解く大謎の工作は、それをはるかに上回る面倒さです。キットに入っているパーツを全投入する勢いであれやこれやを組み立てるのですが、それまでの謎解きで紙モノは何度も折ってシワシワになってますし、シールの粘着力はあまり強くない(貼り直しを容易にしようという親切心はわかるんですが……)ですし、そのゆるいシールで固定せねばならないパーツ(これもそれまでの過程であちこち折れたり曲がったりしてる)は丈夫な厚紙なので、すぐにビーン!と剥がれて形が崩れますし、そもそも作るものが大きいので広い広い平面が必要になりますし……。

  • 「最後の謎は、せっかくだから横浜近辺のおいしいレストランやカフェでお食事しながら解きましょ♪」なんて思っていると、泣きを見ます。皿やグラスが並んだテーブルで解くのは苦行オブ苦行です。

  • まぁ救いは、最後の方になると、もう作らせたいものの見当がついてくるので、面倒な指示をすっとばして「アレができるようにキットをどうこうすりゃいいんじゃろ」なやり方で無理くり工作しても、何とか解けなくもないということです。

 最後の大謎、モノが綺麗にできあがれば確かにさぞや気分がよかろうとは思うのですが、ワタクシのような工作が苦手なタイプ(苦笑)だと、できあがったブツもヨレヨレになっているので、もう感動はほとんどなかったのが正直なところです……。
 これ、たぶん「新品のパーツ」「疲れてないテストプレイヤー」「広い障害物のないテーブルでじっくり」という環境でテストプレイしたんじゃないかと疑っています(笑)。
 使用済みのパーツで、歩き疲れた状態で、カフェの狭いテーブルで解くのは、謎解き慣れしたガチ勢4人でも大苦戦しましたので、「ちょっと謎解きという遊びをしながら横浜観光〜」なノリの人が解けるとは思えない……。親子連れとか、最後は子どもが疲れてコタツに入って寝っ転がってる中、親御さんが四苦八苦する風景が目に浮かぶ。
 街歩き系の周遊謎は、ガチ勢が広いテーブルのある場所で解くとは限らない訳なので、工作謎を出すなとは言いませんが、工作の難しさで難易度を確保するのはホントやめてほしいです……。ガチ勢なら「もう見ただけで折り方わかるな!」くらいの簡単な工作でいいと思うんですよ。
 最終謎にあまりに苦労しすぎると解けても感動よりもただ疲れたという感想になってしまって、それが全部の感想を上書きしてしまう危険があるので、謎解きの手応えを最終謎の高難易度性で確保しようとするやり方は、悪手じゃないかなぁ。

と文句も言いましたが

 街歩きパートについては本当に楽しくて、プログラムで色々教えてもらえる横浜知識は面白いものばかりでしたし、横浜という街自体は本当に素敵なところだな〜と思いました。
 実は、今回巡ったエリアの一部だけをピックアップした「ショートバージョン」も販売されているようなので、ガチ勢でない人は、そちらの方がオススメなのかも知れない……(笑)。
 今回時間がなかった or 混んでて行けなかったスポットで、気になるところがいくつもあるので、またそのうち横浜に行きたいと思います。その時は工作しないから安心だ!

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