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『大切な記憶とフシギな旅』 クリアしました

 主役は建物、そして遺したいもの。

 暦の上では立秋と言いつつも、周遊型謎解きをするにはキビシイ気候が続いております。という訳で、今回も屋内でプレイする謎解きをクリアしてきました。
 東京丸の内にあります、昭和期建築の建物として初めて重要文化財に指定された明治生命館を舞台にした、心温まる物語です。タカラッシュブラックレーベル作品、場所を生かした周遊型謎解きブランドとしてはピカイチですよね。

https://huntersvillage.jp/blacklabel/promo/meiji-seimeikan/
 明治生命入社2年目の社員さんが、ある日机の上で見覚えのない写真が置いてあるのに気付くことで始まる、優しくも不思議なストーリー。重要文化財の建物の空気感を生かした作品という意味では、明治村シリーズにも通じるものがありますが、こちらの謎はそれに比べるとかなり遊びやすいです(笑)。
 たくさんの人にオススメできる作品だと思います!

ほどよい難易度で没入できます

  • 謎解きキットは現地でも買えるのですが、在庫量があまり潤沢ではないようで、「行ってみたら売り切れだった」という人をかなり見ました。事前にネットで購入できますので、可能ならば事前に購入しておくのが安心でしょう。

  • 謎の難易度は、ほどほど。かなり注意力が必要な厄介な問題が一部ありますが、わからなくても力押しと推測で進行可能です。謎解き慣れしているならノーヒントで解くことも可能かと。謎解き慣れしてないと、独特のお作法(アレを使うとか、あの手の情報は必ず後で使うとか)ちょっと苦戦するかも知れません。

  • ヒントはLINEで閲覧する形式になってます。ただまあ、いつものタカラッシュさんなので、あんまりヒントとしては機能してないです。

  • どうしてもわからなければ解説ページで答えを見られる……のですが、この解説ページ、プログラムの最終謎に詰まるまでは表示されないので、途中で詰まった場合このページの存在を知らないままゴリ押しで解いた or 諦めた 人もいるような気がします(笑)。もう少しわかりやすいところに掲示してもよかったかも。

  • 謎解きキットは上品なデザインで、使うアイテムの雰囲気も統一感があって素敵です。ここ最近の謎解きプログラムのキットの中で、一番好みのデザインでした。

静かな空間が物語と相乗効果

  • プログラムで訪問することになる明治生命館は、さすがの気品ある建物です。バインダー持ってウロウロするのが場違いではないかと心配になりました(笑)。

  • しかし、受付や警備の方は皆様とても親切で、わかりにくい地理などは懇切丁寧に説明してくれますし、謎解きに必要な情報を得るためのアレコレについてはビシッと対応してくれます。

  • 重要文化財ながら、そこまで人がわんさか押し寄せる建物ではないので、謎解きを遊んでいる人はちらほら見かけるものの、混雑するというほどではありません。とても静謐な空間で、時間が止まったかのような、あるいは巻き戻ったかのような気持ちを味わえます。これがストーリーと組み合わさって、様々な出来事に不思議な実在感が宿っています。

不思議なことが起こっても納得してしまう
  • この明治生命館は、明治安田生命ビルと融合したような感じになっておりまして、このビルの方には座る場所やテーブル、飲食店も入っていますので、涼しい環境でじっくり座って考えることが可能です。このビル以外にも周辺には色々あります。その辺も遊びやすかったですね。

  • ちなみに謎解きで訪問するのは2Fですが、1Fは明治生命がフツーにオフィスとして、営業所として使っているので、上から働いている人を見ることができます……(笑)。われわれ、土曜に訪問したのですが、それでも仕事している人が何人かいて、大変だな……とか思ってしまった。

建物も大事だけど、伝えたいのは心

  • 謎解きのメインディッシュはもちろん「明治生命館」という重要文化財であり、その雰囲気と歴史に自然に触れることができる作品なのですが、物語のテーマは、あくまで「人の心」なんだなぁというのが、最後まで解くと感じられます。

  • 出てくる人が、主人公含めみんな「いい人」で、そのいい人の親切リレーが繋がっていった結果、最後にほのぼのした大団円になる……という展開は、ある意味ではリアリティゼロではあるんですけど、プログラム全体の統一感と、建物の気品が合わさることで、謎解きの都合のおはなしではなくて、「もしかして本当にこういうことがあったのではないか」「少なくとも、過去にここを訪れ契約をしてきた人々の願いは、確かにこういう美しいものだったのではないか」と思わせるものになっています。
    こういう、場所を生かすことで、単体ではリアリティを持てない物語に骨格を入れて感動を伝える、というのは、タカラッシュブラックレーベルの得意技で、今回はそれが遺憾なく発揮された作品と言えるのではないでしょうか。

 建物内がメインで天候にあんまり左右されない、ほどよい手応えの謎、後味のよいストーリー、このプログラムがないとなかなか行かないスポットとの出会いと、周遊型謎解きとして完成度の高いプログラムでした。
 終了日も特に宣言されてないので、まだ当分は遊べると思われます。ぜひどうぞ! オススメですぞ。

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