What a Wonderful World
ときおり、ふと、心にぱっと浮かぶ歌のフレーズがあって、それというのも、誰もが知る名曲、ルイ・アームストロングの「What A Wonderful World」の一節なのだ。
Friends shaking hands sayin'
"How do you do?"
They're really saying "I love you"…
友だち同士で握手しながら、
「こんにちは」なんて言ってるけど、
ほんとは彼ら、「愛してるよ」って
互いに言い合っているんだよ……
曲自体が名曲なんだけど、特にこの部分は、すごい歌詞だなあ、と思う。
このフレーズが、ここまた最近、頻繁に心にぱっとひらめくことが続いた。
それで、翻訳してここに載せようかなぁと思ったのだけれど、あまりに有名な歌である上に、べつに文法的に難しくもない歌詞なので、ネットには、きちんとした和訳があふれている。
なんなら、どこも直すところのない和訳がついた動画もある。
そう思って、あえて訳すことはせずにいたのだけれど、今日の午前中に開いたオンライン学習会で、参加者の方のシェアに答えるかたちで、この歌詞のフレーズが自分の口から出てきた。
それで、やはり、タイムリーなものを感じて訳すことにした。
英語の歌詞を検索していて、この曲が作られたのは、ケネディ暗殺やベトナム戦争と言った、混乱を極める時代背景のもとだったということを知った。
この歌は、単なる賛歌ではなく、泥濘のなかから伸び出て咲く蓮のごとく、混沌とした状況において作られた、祈りの歌なのだ。
誰が何を口にしているように見えても、そのひとのほんとうに伝えようとしている内容は、「あなたを愛してる」ってことなんだ……
そんなふうに聴き分けることのできる耳と心でいたい。
そのエピソードを知るより前、先日、翻訳を検討していたとき、ルイ・アームストロング自身の歌う歌には、すでに和訳の字幕の付いてる動画もあるため、もし良さげなカバーがあれば、そちらを記事に載せてもいいなと思い、探していた。
だけど、やはり、どんなに上手いひとでも、ルイ・アームストロングの歌声のようには胸が震えない。
この歌を歌うルイの声には、その声音だけで泣き出したくなるような何かがあると思う。
そして、その表情にも。
歌う彼の姿が、アップで、カラーで映っている動画を見つけた。
お楽しみください。
What a wonderful world
I see trees of green, red roses too
I see them bloom for me and you
And I think to myself, what a wonderful world
緑の木々を見て、それから真っ赤なバラが
僕ときみのために咲いているのを見て、
心のうちで僕は思う、
「なんて素晴らしい世界なんだろう」って。
I see skies of blue and clouds of white
The bright blessed day, the dark sacred night
And I think to myself, what a wonderful world
青い空に浮かぶ白い雲が見える。
祝福に満ちた明るい昼と、暗く神聖な夜。
心のうちで僕は思う、
「なんて素晴らしい世界なんだろう」って。
The colours of the rainbow, so pretty in the sky
Are also on the faces of people going by
I see friends shakin' hands,
sayin' "How do you do?"
They're really saying "I love you"
空に架かる虹の色が、何とも素敵だな。
通りすがる人びとの顔にも、
同じ美しさがあるよ。
友だち同士で手を握りあって、
「こんにちは」なんて言ってるけど、
彼らがほんとうに言おうとしてるのは
「愛してるよ」ってことなんだ。
I hear babies cryin', I watch them grow
They'll learn much more than I'll ever know
And I think to myself, what a wonderful world
Yes, I think to myself, what a wonderful world
Oh yeah
赤ん坊が泣いてるね、あの子らも大きくなって
僕なんかよりずっと多くのことを学ぶだろう。
だから心のうちで僕は思う、
「なんて素晴らしい世界なんだろう」って。
そうさ、心のうちで僕は思う、
「なんて素晴らしい世界なんだろう」って。
ああ、そうとも。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?