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24. 『奇跡講座』の名言集 / Sayings from A Course in Miracles

⭐️バーバラ⭐️

1979年の秋、友人のひとりが私たちに、聖書の言葉が印刷されたカードの小箱をプレゼントしてくれた。
彼は私たちが聖書の勉強をしていたのを知っていたので、このカードが気に入るのではないかと思ったのだ……私たちは、たしかに気に入った。ものすごーく。
私たちは、カードを中国のフォーチュン・クッキーのようにして使った。
食後に、聖書の言葉のカードの箱を持ち出してきては、それぞれが引いたカードと、それが私たちにとってどんな意味を持つかについて、しばしば、長くすばらしい議論を交わしたものだ。

私たちは自分たちが、奇跡講座の概念を使ったカードがあったらいいのに、と思っていることに気づいた。
心をなだめたり、落ち着かせるような概念、または心を鼓舞し、高揚させてくれるような概念、もしくは、たぶん、霊的な喝を入れてくれるような概念の載ったカードが!
ロバートと私は、ふさわしい「名言」を探すため、毎日1時間を当てて、奇跡講座の3部作すべてに目を通し始めた。

そのカードに載せるための候補となる、さまざまな文章を選び始めると、より明確な選定基準が明らかとなった。
それは、私たちは、まあまあ容易に理解できるような「名言」を選びたい、ということだ。
「真理」について意識的に学んでいるわけではない、私たちの家族や友人たちにも楽しめるようなカードであることが、重要だと思えたのだ。

それから1年の内に、私たちは、奇跡講座の本のなかから、300箇所以上をマークした。
それらを読み返す前に、選定する上での導きを求めて、ふたりで祈った。
読んでゆくにつれ、私たちは、それらの文章に表現されている概念のパワーと簡潔さに心動かされた。
私たちはふたりとも、お互いが拒否権を持つこと、お互いの特定の選定について意見しても良いということに同意していた。
けれども、お互いに、相手の選んだ「言葉」を選定に含めることに、賛成せずにはいられなかった。

私は、選定した「言葉たち」をタイプしなおし、ひとつひとつの文章ごとに切り分けた紙片を、すべてひとつの封筒に入れて持ち運べるようにした。

それから数ヶ月のあいだ、私たちは、どこへ行ってもこの封筒を取り出し、「名言」を引いてみたいひとが誰でも引いてみることができるように、皆のあいだに回したものだ。
これはあらゆる意味で成功だった。
私たちはそうして皆とカードをシェアするのを心から楽しんだし、ほかの皆も間違いなく楽しんでくれていた。

そうするうちに人びとが、自分のための「名言集」を持ちたいと言い出した。
私たちの旅と奇跡講座の講演の頻度が劇的に増え、数ヶ月が過ぎていった。
私たちには、名言集のカードをどのくらいのサイズのどんな厚みのものにするのか、どんな字体にするのか、何色の台紙に何色のインクを使うのか、箱はどんなふうにするべきか、どこで箱を作ってもらうのか、などなど、カード自体をデザインする時間を見つけられそうになかった。

ついに我々の素晴らしき友人たち、ドナおよびスタン・テイラー夫妻が、「名言集」のカード作りを終わらせるようにと私たちに迫り始めた。
ある夜、私たちは4人で「名言」のすべてに目を通し、全員が納得できるものだけを選ぶために、最後の選定を行なった。
ひとりでも拒否権を行使すれば……ほかの誰かが、もう一度考慮するために決定を保留することを求めない限り……その名言は排除された。
10個ほどの名言が保留とされ、ふたたび吟味された。
多いに冷やかしたり、意見を主張したり、または洞察を述べたりしながら、私たちは笑いに満ちた4,5時間を過ごした。

作業を終え、数えてみるとそこには、218の『奇跡講座の名言』があった。
さて、その他すべての課題を考えてみたとき、まだ私たちにはいくつか解決しなければならないことがあった。
ドナとスタンはいつものように素晴らしくて、箱を作ってくれる会社や印刷所を見つけてくれ、タイプライターで打った218の紙片が、箱入りの「名言集」となってお披露目されるまでに必要な作業を担ってくれた。

この時点で、1981年の1月になっていた。
ドナは、スタンからクリスマス・プレゼントにと贈られたカリグラフィーの入門セットを、いくらか練習していた。
1月の半ば、ドナは、植字する代わりに、ひとつひとつの「名言」をカリグラフィーで書くという、わくわくするようなアイデアを考えているのよ、と打ち明けてくれた。
私たちは全員、この素晴らしいアイデアに賛成した。
ドナは、それぞれの「名言」が彼女の目から見て完璧だと思える出来になるまで、書き直すことにしましょう、と言った。
彼女には、すべての言葉を何千回も複写することになるかもしれないと、わかっていたのだ。
ドナがしたように、カリグラフィーを練習するというのがどんなことか、想像してみてほしい……パワフルな概念を、ひとつひとつ書いて練習したのだ!

1981年の11月、講演旅行でシェアするために、私たちは初版の1000箱分を持って出かけた。
最初の旅はデンバーのコロラド・ユニティーで、私たちはそこで、40箱を差し出すようインスピレーションを受けた。
その晩の会合の後、40箱は瞬く間になくなった。
ロバートは、ヴァンに積んであった、まだ組み合わせていないカードと箱の入ったケースを持ち出して来た。
人びとはすぐさま演壇のあちこちに座り込み、カードを箱へと詰め始めた。
その初日の夜に、80箱以上がわかち合われたのだった!

1983年夏の現時点で、8,000箱を超える「奇跡講座の名言集」が頒布され、いまでも、世界中から注文が届いている。
まだいまのところ、中国からは連絡が来ていない!
いま私が座って原稿を書いているこの場で、「名言集」の箱に手を伸ばし、カードを一枚引いてみて、このエピソードを閉じようと思う。

「私は何ごとにおいてもひとりではない。
私の考えること、言うこと、行うことのすべてが、全宇宙に教えている。」
『奇跡講座』 W-54.4

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