I See the Light
チェンマイが、過ごしやすく、とても良い街だ、とは、前々から聞いていた。
チェンマイは、タイ北部の古都だ。
行ってみたいなぁ、と思いつつ、なかなか機会がなかった。
スリランカと日本を行き来する際、タイ・エアウェイズを使うことがたまにあり、バンコク乗り換えの便を利用してタイに入国し、チェンマイにまで足をのばせないか、調べてみたこともある。
しかし、断念した。
荷物がバックパックひとつなら、きっと行っていたかもしれないが、スリランカに行くときはいつも大荷物のため(お土産や買い物を頼まれたりする)、頭のなかで移動をシミュレーションしただけで気疲れしたのだった。
チェンマイ行きが実現したのは、4年前、スリランカに住んでいたときのこと。
12月10日頃から、年明けの1月の初旬まで、約1ヶ月弱、仕事のお休みをもらってチェンマイ、そしてさらに北のチェンライへと行くことにした。
チェンマイは、聞いていたとおり、とても滞在しやすい街だった。
バンコクもそうだけど、タイの都市部というのは、アジア旅行する上で、とても気楽に行ける。
アジア初心者は、まずタイに行け、とは、よく言ったものだ。
なぜか。
日本から、程よく遠く程よく近い。
距離的にも、文化的にも。
食べものはおいしいし、エキゾチックなので、異文化での観光気分がちゃんと満たされるし、でも建物も服飾品もインド・スリランカと比べて日本の感性に近いものがあってホッとするし、あと、現地のものに飽きたら、日本料理の店やユニクロなども見つけやすい。
さて、チェンマイに着いてから知ったのだが、チェンマイは、ロイクラトン祭りという、ランタンを空に飛ばすお祭りで有名なのだった。
えー、それはぜひ見てみたい!と思ったが、残念ながらお祭りは11月。
また、調べてみると、お祭りの時期は、滞在するホテルを取るのも大変であるらしいし、お祭りの会場に入場するだけでも、高い料金が必要らしい。チケットも前売りだ。
そういう面倒くさいのが苦手なので(特に人混みがきらいだ)、そのお祭り見物のために、わざわざチェンマイまで来ることはないかも……と思った矢先。
なんと、「ランタン揚げが見たいの? 明日見られるよ、ターペー門前の広場で」と、あっさり言われる。
ターペー門とは、チェンマイ旧市街の東門だ。
私は旧市街に滞在していたので、勝手知ったる徒歩圏内だった。
えっ、入場券とかは?
「そんなの、ないない。
無料だよ。誰でも参加できる」
えーーー、ついさっき、見てみたい、と思ったばかりなのに、そんな幸運ある??
聞けば、11月のロイクラトン祭りは、郊外の大学の敷地を貸し切って行われるが、大晦日の夜のランタン揚げは、街中を歩行者天国にして行われるのだという。
正式には、年越しのカウントダウンで揚げるのだが、翌日の大晦日、夕闇が迫る頃には、待ちきれないひとたちが放ったランタンが、ぽつ、ぽつと、空に浮かび上がり始めた。
ナイトマーケットで屋台飯を食べるあいだにも、夜空は、浮かび上がる無数のランタンで照らされてゆく。
上空の風向きで、みな同じ方角へ流されるので、散らばって広がりつつも筋を描いて流れてゆくさまが、あたかも天の川のようだ。
頃合いを見はからい、ターペー門から出て広場に行ってみると、物見客で混み合っているとは言え、もとが小さな都市なので、すし詰めというほどのものでもない。
人混み嫌いの私も、苦ではない。
そこここでランタンを売っている。
みな、願いを込めて空に飛ばすのだ。
ランタンは、間近で見ると、意外と大きかった。
ひとりで気軽に揚げられるようなものではなく、火を付けた後もしばらく、数人がかりで支えて、中の空気が暖まるのを待たなくてはならない。
そのあいだ、上手にバランスよく持って放つようにしないと、傾いたまま揚がってしまったランタンは、途中で紙が燃えて落ちてきたりする。
真夜中が近づいてきた。
誰からとなく、カウントダウンが始まり、みなが声を合わせてゆく。
あたらしい年が、すぐそこに近づいていた。
(カウントダウンの瞬間を撮った動画です。
最初に、Happy New Year! と聞こえるのは、私の声。)
🌟 🌟
さて、ランタン揚げと言えば、ディズニーのラプンツェル。
チェンマイでの年越しの時点で、私は春にスリランカを引き払って帰国することを決めていた。
奇跡講座の教師、フランシス・ズーが来日するというので、リトリートに参加したかったし、ひと目彼女に会ってしまったなら、メキシコのラ・カーサ・デ・ミラグロス(奇跡の家)に付いて行きたくなってしまうかも、と思い、スリランカへ戻る予定は立てずに、白紙にしておいた。
(リトリートはすばらしかったが、メキシコに付いていくというガイダンスは来なかった。)
そのリトリートで、フランシスが(聖霊に従い)、みなで観るのに選んだのが、塔の上のラプンツェル、こと、『Tangled』だった。
近年のディズニー映画は、スピリチュアルなメッセージが込められているものが多くて、とくにテーマ曲は、うーむ、と唸ってしまうこともしばしば。
例えば、アナ雪2のテーマ曲、「未知の国へ」。
原題は、Into the Unkown(不確実性の中へと)ですよ、すごいよね。
どこからともなく聞こえてくる、かすかな呼び声に導かれ、不確実の中へと分け入って行っちゃうのよ。
すごい歌ですよ。
ラプンツェルのテーマ曲の英語詞も、私には恋の歌ではなく、奇跡講座の言う「聖なる瞬間」のこととしか思えない。
訳詞は、敢えてそのようなイメージで訳出してあります。
お楽しみください。
2023年が、聖なる瞬間の連続となりますように。
I See the Light
All those days watching from the windows
あの頃はずっと、
窓から見ているだけだった
All those years outside looking in
長いあいだずっと、
遠巻きに眺めるだけで
All that time never even knowing
そのあいだずっと、
ちっともわかってなかったのよ
Just how blind I've been
どれほど、自分には何も見えていなかったか
Now I'm here, blinking in the starlight
いまはここで、
星明かりのなか驚きに目を瞬いている
Now I'm here, suddenly I see
いまここにいて、
とつぜん気づいたの
Standing here, it's all so clear
ここに立ってみれば、
何もかもはっきりとしている
I'm where I'm meant to be
私は自分のいるべき場所にいるんだってことが
And at last I see the light
ついに光が見える
And it's like the fog has lifted
まるで霧が晴れたかのよう
And at last I see the light
ついに光が見える
And it's like the sky is new
まるで空が生まれ変わったみたい
And it's warm and real and bright
あたたかくって、真実で、明るくて
And the world has somehow shifted
どういうわけか、世界は変わってしまった
All at once everything looks different
一瞬のうちに、何もかもが違って見える
Now that I see you
だっていまでは、あなたが見えているから
All those days chasing down a daydream
あの頃はずっと、
ただ夢物語を追いかけてた
All those years living in a blur
長いあいだずっと、
ぼんやりと生きてきて
All that time never truly seeing
そのあいだずっと、
ほんとうに見るってことはなかったんだ
Things, the way they were
ものごとの、あるがままの姿なんて
Now she's here shining in the starlight
いまは彼女がここにいて、
星明かりのなか輝いている
Now she's here, suddenly I know
いま彼女がここにいるから、
とつぜんわかったんだ
If she's here it's crystal clear
彼女がここにいるのなら、
このうえなく明らかじゃないか
I'm where I'm meant to go
僕は自分の目指していた場所にいるってことが
And at last I see the light
ついに光が見える
And it's like the fog is lifted
まるで霧が晴れたかのよう
And at last I see the light
ついに光が見える
And it's like the sky is new
まるで空が生まれ変わったみたい
And it's warm and real and bright
あたたかくって、真実で、明るくて
And the world has somehow shifted
どういうわけか、世界は変わってしまった
All at once everything looks different
一瞬のうちに、何もかもが違って見える
Now that I see you, now that I see you
だっていまでは、あなたが見えているから
だっていまでは、あなたが見えているから
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