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1. はじめに / An Introduction

⭐️バーバラ⭐️

1981年の9月、私はテキサス州ヒューストンにあるドナとスタン・タイラーの家の裏庭で、ブランコに座って、イエスと語り合っていた。
イエスは私に、彼にとっては単純なことらしい3つのことをするように、と頼んだ。
……「私たちのきょうだいを愛すること、私の音楽を人びととわかち合うこと、そして、奇跡講座(ACIM)を始めて以来の、あなた方の人生の物語を書き記すこと」
最後のひとつが、私には、もっとも難しいことのように思えた。

ああ、私がどれほど執筆作業に対して抵抗してきたことか。
今日は1982年の5月30日だけれど、いまのところ4つのエピソードしか書き終えていない。
執筆について、私はうだうだ、あれこれと考え込んできた。
「これは大変な仕事だわ。時間がかかりすぎる。私にはうまくできない。途方もない集中力が必要だし」

先週、あまりの抵抗感にとうとう耐えきれなくなった私は、本当に書かなくてはならないのかと、聖霊に尋ねてみた。
私は、やるならやる気まんまんで執筆に取り組みたかったし、さもなければ執筆のことなど忘れてしまいたかった!
私が受け取った答えは、「いままでの体験を語り終えてしまうまでは、あなたは次の『贈り物』を受け取れる立場にはいないのです。あなた方の物語を読むことで、他の人びとにとってACIMの道を歩むことが容易になるかもしれません。それは、この本を書くのに充分な理由ではありませんか?」

⭐️ロバート⭐️

バーバラが、奇跡講座の教えを生きる僕たちの冒険物語を書き記すようにとガイドされた、と打ち明けたとき、僕はとても協力的だった。

この、真実を生きる、という実践において、僕たちはたくさんの、パワフルかつ啓発的な体験をしてきた。
それにまた、僕は以前からずっと、バーバラは物語を語るのが上手だと考えていた。

けれども僕は、この本にはところどころに「ロバートの視点」なる箇所が挿入される、ということが明らかになるまで、まさか自分が執筆に関わることになろうとは、思っていなかった。

まあたしかに、これらの出来事は、僕たちふたりによって経験されたものだ。
ただ、論理的にはそう言ってみたところで、それでも僕は抵抗を感じた。
この本の執筆は、しかし、「ロバートとはだれか」ということについて、僕が持っている制限されたアイデアを取り消すための、もうひとつの機会なのである。

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