【鑑賞ノート】6.CLIMAX(映画)


『CLIMAX』は体で見る映画だ。

ここまで、身体を刺激する映画は見たことがなく、
狂い叫ぶダンサーたちに頭がずきずきするし、
殴る、切るという行為を見れば、その痛みを感じるし、
最悪の結末に胸が張り裂けるし、
とにかく、身体がずっと緊張しっぱなし。
ほんと、監督のギャスパー・ノエは鬼才なんだと思う。

狂った人間をこれでもかといろんな角度から見せつける。
『CLIMAX』は、物語があるというよりも、
感情や狂気をダイレクトに描く「詩」のような映画だ。
だからかな、自分が映像に入り込み過ぎてしまう。
途中、しんどすぎて、映像をぼおーっと見るようにして映画から逃げた。
解離性障害というのか多重人格というのは、あまりにもつらいことが起こるとそのつらいことを自分から切り離そうすることによって生じるというが、まさにそういう感覚なのだろう。
とにかく、この映像から逃げねば、と思った。
それくらい精神にもダイレクトに響く。
見ている方も精神に異常をきたしそうになる。
なので、オススメはしません。

ただ、見るのしんどかったけど、
見て損した、見なければよかったとはならなかったのよね。
見てよかったともならないけど。
でも、できればもうちょっと体力がある「若い」ときに見たかった。

寿命が3日くらい縮んだ気がする…。

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