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バンコク五行歌の会

今日は、私が毎月一回参加している「バンコク五行歌の会」について書いていく。

五行歌とは

五行歌とは、わかりやすく言えば自由律短歌のことだ。
短歌や俳句のような文字数制限はなく、季語を入れる必要もない。
ルールは「五行であること」ただそれだけだ。
「五行歌」という月刊誌もあり、100以上の支部が全国にあるそうだ。

バンコク五行歌の会

タイに来たばかりの頃、知り合った日本語の先生に誘われて、バンコク五行歌の会へと足を運んだ。職場に日本人が一人もいないので、久しぶりに日本語で話ができることがとても嬉しかった。年齢も職業もバラバラだが、海外に長く住む日本人は(自分のことは棚に上げて)変わった人が多く刺激的だった。

もともと書くことは嫌いじゃないし、日本語教師として言葉に敏感でありたいという思いから、五行歌を作ってみることにした、のが8年前。
今ではすっかり古株になってしまった。

日本に帰国してしまったメンバーが増えたため、以前よりこじんまりした歌会になったが、タイだけではなく、福岡、京都、東京、ベルギーからも詠草参加がある。
昨年からは、日本に帰国した人も参加できるように、ビデオ会議システムの「Zoom」を使って、日本とバンコクをつないで歌会を行っている。
おそらく世界初のグローバルオンライン歌会ではないだろうか。

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歌会って何するの?

事前準備

歌には毎月お題が2つあり、どちらかのお題の歌と自由詠の2つを作り、締切日までに幹事に送る。

その後、幹事から詠草集が送られてくれるので、それを採点し、幹事に送る。
ちなみに、詠草集には作者の名前は載っていない。

歌会当日

詠草集と採点表を見ながら、順番に歌を読み上げる。得点を入れた人は、歌の気に入った所、自分なりの解釈や理由を発表する。その後、歌の作者を発表する。
作者が歌会に参加していれば、歌の説明や感想を述べる。

最後に得点を整理し、例会1〜3席(歌会に参加した人の歌)、
総合1〜3席(詠草集全部の歌)を決める。
例会1、2席の作者が次回のお題を決める。

五行歌のススメ

旅先の景色や自分の感情や考え、昔の記憶・・・
形にならない曖昧なものを、できるだけ乖離しないようなぴったりの表現を探して5行にまとめるのは、なかなか難しいが、面白い知的な作業だ。
(締切に追われて慌てて作る事が多いけれど)

ふとした瞬間を写真に撮ったような、これ!という歌ができたときは、とても嬉しい。私のスマホのメモには、ひらめき待ちの未完の歌がいくつか寝かせてある。

他の人の歌を読む事で、新しい表現に出会ったり、新しい考え方、モノの見方に触れ、考えるきっかけにもなる。
詩歌という手段で自己表現をし、それを読んでくれる人や評価してくれる人がいることはとても素敵なことだと思う。

昨年はタイ人の日本語学習者へ向けた五行歌ワークショップにお手伝いとして参加した。興味を持った学習者も何名かいて、五行歌の裾野の広がりを感じるいい機会だった。

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さて、今月の例会はコロナの影響で初のフルオンライン例会となる。
少し寂しいが、どんな会になるのか楽しみでもある。





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