探偵!ナイトスクープの局長が変わってから

『探偵!ナイトスクープ』

1988年から朝日テレビにより放送されている長寿番組。番組を一つの探偵事務所に見立て、一般人の視聴者からの依頼に対して探偵役の芸人が依頼を解決するというもの。探偵は古くからいる人間で言うと間寛平から、新しいメンバーとしてはハライチ澤部まで幅広い年齢層が担当し、各々子どもの相手が得意だったり、時には犬だったり…
家族内の小さなわだかまりを第三者の探偵が割って入って解決したり、感動的な人探しから「ウンコ」の話まで、専門家を巻き込み本気で依頼を解決する、人気番組。

ウンコの話と言うと、記憶にあるものといえば
「ガレージの工具箱がウンコ臭い!」という依頼。
依頼者は小さい女の子たちで、彼女たちの父親が”ウンコをした”犯人ではないかと言う。いかにして証拠を出すのかというと…………「実際に同じ工具箱を用意し、父親にウンコさせる」というもの…
(結果的には工具箱のプラスチックの劣化によって発生した臭素のせいだったので父は冤罪、ウンコの臭いを打ち消す香水を香りの研究所で開発してもらい、ひと吹きして依頼解決。)

私が関西に住んでた時は、毎週金曜日の夜11時からの放送で、いい週末の始まりであり楽しい週末の滑り出しとなっていた。

そしてそんな名番組・ナイトスクープの局長が去年変わった。

西田敏行から松本人志へ。

ちなみに局長というのは、オープニングで挨拶をして、各VTRの〆に依頼が解決したことにひとつコメントするのみであるが、しかしながら探偵局の顔のようなもの。本当に物理的な仕事量は少ないようには一瞬見える。

西田敏行は持ち前の涙もろさから、感動系のVTRの〆にはいつも泣いており、その顔を見ることで「これはいいものであった」と共感が自然と促される。



今週のナイスク(私の住む神奈川と関西とは3週くらいずれて、神奈川が遅れてるんですね)

のうちの一つが
『亡くなった友達が生前に埋めたタイムカプセルを代わりに掘り起こしたい!』
という依頼。


先日不慮の事故で亡くなった、高校時代の依頼者がTwitterで「タイムカプセルを二つ埋めたんだけど、誰と埋めたか忘れたと言っていたことから、
依頼者がそのメンバーも集めて代わりに掘り返してあげたいという依頼。

結果的にはひとつだけ見つかった。


依頼者家族とか友人の雰囲気の明るさとかもそうだけど、
スタジオに返した時、秘書の増田沙織さんは泣きっぱなし。

それに対して松っちゃんが湿っぽく〆なかった。


もう一個のタイムカプセルが見つからなかったことに対して
「(亡くなった彼が)恥ずかしくなって隠しちゃったのかもしれませんね〜」

と淡々と話していたのだが、

亡くなった彼のそんなことをしている情景がほんわりと浮かび、こちらもちょっと幸せになった。

松ちゃんは日頃から

「〜かもしれないね」

という”優しい推測”を多用する点がとてもあり、この言葉には相手を思いやる力がある。

M-1の審査員で言うと、
上沼恵美子、オール巨人の2大重鎮の手厳しさ

富沢たけしも講評の時だけは時折「ちょっと何言ってるかわかんない」ばりの冷ややかさが記憶に大きくてどきどきしたりする。礼二も同様の厳しさのイメージ。

ナイツ塙は現役でマイクスタンドに立ってる故、リアルな現場を見ている上の意見。

立川志らくの講評は、純粋な未知のお笑いへの興味の持ち方はこれすごいなあと感じることがある。

ただ松ちゃんほどに新人側の話を想起して話す審査員は少ない。


その時のくせをそのまま持ってきたような番組の回しをしていて、私はこれが好き。

いいフォロー廻しをするようなソフトでかつキレのある、松本人志の探偵ナイトスクープが始まったんだなということを、この依頼をもって感じた。


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