32歳で会社を辞めて、大学院生になること

2020年3月末で丸10年働いた会社を辞めて、大学院生になることにしました。

現状維持・穏やかさを至上と考えながら生きてきたのですが、色々あって自分の挑戦したいことを見つめなおした結果の決断でした。(「色々」の部分は以下の記事で書いてます。)

大学院の受験から会社の退職に関すること、周囲の反応、退職後のお金の話など、自分の振り返りのためにまとめておきます。

あくまで私の場合の話なので、同じ境遇の方の参考にはならないかもしれませんが、一つの体験談としてお読みいただければ幸いです。

1.大学院受験

私が受験したのは少し特殊な大学院で、専門職大学院と呼ばれるところです。

将来的になりたいと考えている職業がありましたので、その職業になるための大学院を選びました。

社会人枠、のような受験ルートがありましたので、それを使って受験しました。

用意したのは、学部時代の成績表や卒業証明書。また、志望理由書、履歴書です。

社会人を10年もやっていると色々な経験をしているので、志望理由として書くネタには事欠きません。大学院側がわざわざ社会人枠を設けてくれているのです。それは社会人としての経験を生かして学んでほしいということ。これでもかと自分の経験を詰め込んだ志望理由書を書きました。

書類選考が通った後は、口述試験がありました。

「口述試験」と言ってもまぁ、提出した書類についていくつか聞かれるような面接だろ〜、と思って自分の願書の見直しなどして臨みましたが、全く外しました。本当に口述試験でした。提出書類に書いたことなど全く聞かれませんでした。

完全にやらかしたと思い、会場を出るときには膝に力が入りませんでしたが、ふらつく足でひとり飲みに行きました。東北からわざわざ試験会場のある東京まで行って受験したのです。勿体無いので美味しいお酒だけでも飲んで帰ろうと・・・。

数週間後、予想に反し合格通知が届きましたのでとても安堵しました。

ちなみにもう一校願書を出したのですが、そちらは書類選考で非情にも落とされました。やはり私は私立校には縁がないのでしょう。(小学校〜大学まで全て公立校でした。)

2.会社への退職報告

現在の会社には10年勤めています。

東日本大震災を会社で経験し、今でも思い出すと辛くなってしまうほど大変な時期でしたが素晴らしい同僚とともに乗り越えました。

人見知りでどうしようもなかった学生時代の私を、ちゃんと組織で働けるようにしてくれた会社です。その上、私には分不相応なほど色々投資していただいてたくさんの教育や経験を積ませてもらいました。

今の会社への不満などは一つもないのです。今回の退職は完全に私のわがままです。

今いる職場に少なからず迷惑をかけるのは確かなので、本当に申し訳ない気持ちになりましたが、自分の人生の希望を叶えるためなので迷いなく退職を上司に伝えました。

色々な方が応援の気持ちを伝えてくださり、それによって頑張らなければいけないという気持ちが一層強くなりました。

10年間本当にお世話になり、また、笑顔で送り出してくれるこの会社には感謝しかありません。

いつか、私の将来の仕事で会社に恩返しできればと思っています。

3.お金のこと

私には家族が老齢の母しかいませんので、学費や生活費は自分で賄わなければなりません。

10年間社会人として働いたとはいえ、退職しようとは毛ほども考えていなかったことや学部生時代の奨学金を返済していたこともあり、貯金と退職金を合わせても500万円を少し超える程度しか資金はありません。

また奨学金を借りるか・・・と思っていましたが、私の進む大学院が雇用保険の「専門実践教育訓練」に指定されており、「教育訓練給付金」と「教育訓練支援給付金」の支給対象であることにたまたま気がつきました。

早速ハローワークへ受給資格等確認してもらったところ、受給資格ありとのこと。

これで授業料の半額に加え、受講期間中は失業保険の8割程度が支給されることになります。本当にありがたいです。

実際生活を始めてみないと、給付金のみで生活が成り立つのか分かりませんが、奨学金を借りるとしてもその金額は当初予定よりずっと少なくてすみそうです。

社会人から大学院生(特に専門職大学院)への転身を考えていらっしゃる方は、自分の進む大学院がこの「専門実践教育訓練」に指定されていないかご確認されることをお勧めいたします。

4.家族と友人の反応

私の家族は母だけなのですが、母へは大学院の合格をもらったあと、退職し大学院へ行こうと考えていることを伝えました。

以前から私がその分野の勉強をしたいと話していたこともあり、応援してくれました。母としては、私が学部時代に家庭の経済的な理由で大学院進学を諦めたのでは、と負い目を感じているところもあったようですが・・・。そんなことないよ、ママ。あの頃の私には熱意も勇気も足りなかっただけです。会社で10年働いたからこそ今の決断ができるようになったんだよ。

また、友人数人にも伝えましたが、みんな心強い言葉をくれました。そもそも伝えた友人達は世界中飛び回るような自由なタイプです。彼女達との合言葉は「私たちは自由だ!私たちはやりたいことを何だってやっていい!」ということです。


5.会社を辞めること、学生になること

先日改札を通る時、定期の更新時期であることに気がつきました。いつもは6ヶ月分買うけど、今回は3ヶ月分です。その先はもう誰も交通費を出してはくれない。

私が行くのは、修了者が入学者の3分の1になってしまう大学院です。

全く将来の保証はありません。

留年すれば、その時点で雇用保険の給付も打ち切られます。

いくら勉強してももうお給料は貰えません。

絶対に、絶対に目標を見失わないように、心を強く持たないといけない。

心が弱くなった時は今の気持ちを、周囲からもらった言葉を思い出そうと思います。

私は自分で道を選んだ。長い道のりだけど、自分で考えて、改善して、必ず目標を達成する。マラソンだから辛い時間もあると思うけど、自分のペースを大切にしながら完走したいと思います。


最後までお読みいただき本当にありがとうございました。またお越しいただけたらうれしいです。