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受容の力の使い道

とても仕事のできる彼女は、
話していると、私は何もかも打ち明けてしまえるような、受け入れる雰囲気を持っている。

軽い相槌を打ちながら、
適度に自分の感想をいいながら、
稀に自分の経験を交えながら、

彼女は受け入れてくれる。

しかし。

私にはどうしても、彼女を信じきれないところがあり、彼女と話す時は、9割方素顔ではあるものの、
1割の化粧を施して話している。

それは、ふんわりとした彼女の中にある、
鋭い抜け目なさを知っているから。

彼女は、私の打ち明け話さえも、
きっと仕事の中で有為な情報として使うはず。

だからと言って、
これまで、私の打ち明け話のせいで
私が困った立場に追い込まれたことはないし、
むしろ逆に、配慮されたことはある。

なのに、なんだろう?この、
「してやられた」感は。

まんまと乗せられて、うっかり喋ってしまった感じが拭えないのだ。

おそらくなのだが、

私が人に対して、そのような考え方をしているのだろう。

そして、それを敏感にも、
彼女の中にも見ているのだろう。

同じ穴のムジナだからこその共感みたいなものか。


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