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毎年5月31日、私は決まっておすしを食べている。

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3歳で原因不明の病に冒され20歳まで生きられないと言われた兄にまつわる数々のストーリーをvol.1~vol.14まで連載していきます。読んでくださる皆さんとひとつの作品に仕上げて…
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2020年9月の記事一覧

Vol.12 旅立ち【毎年5月31日、私は決まっておすしを食べている。】

20歳まで生きれないと言われた兄にまつわる数々のストーリ。幼少期から順に連載しています。毎週土曜日更新中。 Vol.11 太陽 はこちら 最期の思い出姉が来てからは、交代で兄の容態を見守った。たとえ代わると言っても、結局母はうとうとするだけで兄のそばを離れることはなかった。 兄は時折体を左右に激しく揺さぶり、頭をベッドの柵に打ち付けて発作を起こした。発作の間、わたし達は彼の肩をベッドに力いっぱい押さえ付けた。どこにそんな力を蓄えていたのか不思議なくらい、彼は抵抗する。

Vol.11 太陽【毎年5月31日、私は決まっておすしを食べている。】

20歳まで生きれないと言われた兄にまつわる数々のストーリ。幼少期から順に連載しています。毎週土曜日更新中。​ Vol.10 インドはこちら ゴミゼロの日応急処置の手術をしてから約2年。あの手術は本当に必要だったのかと疑問さえも消えた頃、兄の容体は急変した。それでも、いくつもの危機を乗り越えてきた彼だから、当然また過去の武勇伝のひとつになるだろうと信じていた。 母とわたしが泊まり込みの看病を始めてからもう10日が経とうとしている。 ゴミゼロの日。それは付き合っていた彼氏

Vol.9 花火【毎年5月31日、私は決まっておすしを食べている。】

20歳まで生きれないと言われた兄にまつわる数々のストーリ。幼少期から順に連載しています。毎週土曜日更新中。 大学生活姉は進みたい道を見つけ、大学は家を出て一人暮らしを始めた。翌年はわたしの大学受験。迷ったあげく、家から通える大学で地域福祉を学ぶことにした。弾けた大学生活を夢みて上京する友人も多かったけれど、時折介護ストレスが現れていた母をひとりにすることは考えられなかった。大学に入ったら早速車の免許を取って、兄を色んなところに連れて行ってあげたいと、密かな計画に胸も高鳴って

Vol.10 インド【毎年5月31日、私は決まっておすしを食べている。】

20歳まで生きれないと言われた兄にまつわる数々のストーリ。幼少期から順に連載しています。毎週土曜日更新中。 突然の電話わたしは大学で地域福祉を専攻したものの、高校時代にタイタニック主演のレオナルド・ディカプリオにドハマりして以来、海外への興味も膨らんでいた。海外プログラムを見つけては参加し、オーストラリア、カナダ、バングラデシュに行かせてもらった。そして、ゼミでは途上国開発に名のある教授に出会い、ユネスコ派遣の一員としてインドに行くチャンスを手に入れた。 日本全国から10