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「みんなでつくる中国山地」発刊記念シンポジウム


今月12日、島根県邑南町で開かれた「みんなでつくる中国山地発刊記念シンポジウム」に行ってきた。中国山地から新たな風を吹かせる「みんなでつくる中国山地」発刊を契機に、「中国山地未来会議」の設立など、地域が連なり、共に進化する仕組みづくりがこれから進んでいく。何ともわくわくする取り組みだ。私が感じたこと、思いを巡らせたことなど書いてみたい。

冒頭、発起人の藤山浩さんの「中国地方に明日はないが明後日はある。そして明後日が思いのほか早くきている」というお話をさっそくメモ。

鳥取県用瀬で、簡易宿所を運営し、大学生が週末に地域で暮らす「週末住人」を展開している岩田さん、松浦さんの報告を聞いた。

お二人の話をローカルジャーナリストの田中輝美さんが解説してくれ、それが的確にポイントを押さえていて分かりやすかった。私も普段からもしかしたら無意識にやっているのかもしれないけど、本人が話すのが一番と思っていた部分もあったから、解説する、翻訳する役割って大事だなとあらためて。

「週末住人」は、地域に住むのが週末だけ、しかも「学生」だから、周囲が今すぐそのまま定住!など過度な期待をしないのが良いのかも。
学生が地域に自分たちのアイデアを提案するだけでなく、地域から暮らしの知恵を教えてもらうなど、「一方向の関係性にしない」ことが大切だと感じた。

その後の「若者と地域が出会う」をテーマにしたワークショップで、「里山の知恵と技を継承する」って、誰かがさらっと書いていて。私の関心もそこに行きつくのかなと思ったり。

議論は移住支援や空き家対策にも発展。移住支援で、「子どもがいない」人が卑屈になることがなければよいが…と、少し懸念している。実際、中山間地域に移住した夫婦に対して「あそこはこどもがいないからねぇ~」という人に出会ったこともある。

週末住人を発展させた「中国山地住み放題サービス」というアイデアも。キャンプ好きとしては、それに軒先や庭を貸してくれて、キャンプし放題サービスもあればいいな~なんて。家はそのまま住んでくれていていいので。田舎の大きい家は外のトイレとかもあるから、使えそう?!

シンポジウムや交流会を通じてたくさんの「変態」仲間(3連休の真ん中に島根の山の中に来ている)と出会い、新聞記者として、それ以外でも、私になにができるかな~と、思いを巡らせてわくわくする時間を過ごすことができた。中国山地での横のつながり、学び合い、そして東北地方とも…?!

私個人としては、前々から思っていたことだが、地域の中で、伝統的に行われてきたこと、当たり前に存在している機能(草原景観を維持するための地元集落による山焼きとか、地域に1軒だけのスーパーとか)、がどういう機能を果たしているのかを、見誤らない、見落とさない人になりたいという思いを強くした。山焼きにしてもスーパーにしても、観光のためや買い物をするためだけでなく、地域のコミュニケーション、きずなを深める場として機能しているはず。そして、それが消えてなくなる前、失われる前に、その価値を伝えていきたい。

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