わたしの好きな本棚_04

梅雨が明け、入道雲が空を占めつつある季節となってしまいました。前回の投稿から少し時間がたち、その間にフォローをしてくださった方々、フォローをありがとうございました。

今回、本棚から取りだした本は、

山下恵子「しあわせの言の葉」(宝島社、2007年)

です。山下さんの著作を何冊か本棚にしまってあり、背表紙をみるだけで、私自身は、ほんわかする本たちです。

今回、この本をあらためて眺め返してみました。この本の「はじめに」に山下さんのこの本についての想いが込められている気がしました。題名に「言の葉」とあるくらいですから、彼方時代をさかのぼりき現代までの女性の「言の葉」について山下さんの想いが綴られている本です。

この本の「はじめに」を読んで、執筆するということに限らず、想いを言葉にすることは雲に例えることができるなどと思いました。

空に浮かぶ雲に届きそうで届かない、下から見上げると形ある雲、言の葉である言葉も、相手に届きそうで届かない、しかし言葉としてカタチあるものとして相手に残ったり、文字として残ったり、と似ている気がしませんか。

言の葉は空に浮かぶ雲のように人に平等に同じようには見えないけれど、曇り空の日もあれば雨雲のような罵詈雑言になってしまう日もあります。しかしモノクロの雲の日でも、言葉は白い雲のようでありたい、そのような気持ちを込め、静かに読み返したい本であり、いつまでも本棚に並べておきたい本です。

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