奇跡のカンパネラ
先日、ピアニストのフジコ・ヘミングが亡くなったというニュースを見て、昔買ってしまい込んだままになってたアルバム『奇跡のカンパネラ』を出してきた。
フジコ・ヘミングの演奏を生で聴いたのは一度だけ。
10~15年くらい前のことだったか、池袋で動物愛護チャリティーコンサートがあるということで、子どもの頃からピアノを習っているという知り合いを誘って行ってきた。
チャリティーコンサートで、お手頃価格だったこともあって、曲数も少なめだし、「ラ・カンパネラ」は弾いてくれないかもね、と言いながら行ったコンサート。
最後に、「ラ・カンパネラ」の演奏が始まった瞬間、会場中の人たちが息をのんだ時の空気感を、今でも思い出すことができる。
一緒に行った知人が、
「子犬のワルツは大犬のワルツみたいだったし、ミスタッチも多い。でも、そんなことは関係なくすごかった。誰かの曲を演奏しているのではなく、完全にフジコ・ヘミングのものになっている」
ということを言っていた。
久々に『奇跡のカンパネラ』を聴いて、「ラ・カンパネラ」はものすごい魂が込もった演奏だなと思った。
「ラ・カンパネラ」ももちろん好きだけど、このアルバムに収録されている、リストの「愛の夢」や、ショパンの「ノクターン」が大好きで、心に沁みわたってくるような旋律が、なんて美しいんだろうと泣きそうになる。
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