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生産者訪問#2|世にも奇妙な?!千賀みそ

愛知県南知多町にある徳吉醸造さんでは、液体の中に大豆の粒がゴロゴロ入った、摩訶不思議なお味噌を作っています。

江戸時代から南知多に口伝で伝わってきた製法で、超辛口。「普通の味噌に使う量の半分」と思って使った方がいいそう。

千賀みその千賀とは?

初代・千賀重親(しげちか)。
元は愛媛県の出自で、志摩国の千賀に移り住み、千賀と名乗るようになった。
関ヶ原の戦いで九鬼水軍を追い払い、1500石を得て師崎に住んだ。以来、徳川家康に信頼され、尾張徳川家の海上奉行を任された一族。千賀水軍として知多半島・師崎の羽豆岬の遠見番所より、伊勢・志摩・渥美の海上安全を見守っていた。
捕鯨を行い、南知多の発展に大きな功績を残したという。

そんな千賀氏が尾州徳川家に献上したとも言われるのが、千賀みそです。
まるで、醤油と味噌を一緒に食べているかのような不思議なお味噌。もはや、味噌という規格って何だ?と思わせられます。

味噌か?醤油か?千賀みそ

徳吉醸造

創業大正10年。2021年で100周年を迎えた徳吉醸造さん。今は麹を機械を使って仕込む蔵が多い中、麹蓋を使って麹を仕込む、昔ながらの作り方を続けています。

麹蓋で全ての麹を仕込む

4代目の沢田美稲(みしね)社長は、とっても穏やかなお人柄。(美しい稲なんて、なんてステキなお名前!)

4代目沢田美稲社長

入口の扉の上を見ると、ツバメさん用の出入口が用意され、もう、ここを見ただけで優しさが伝わってきますよね。

つばめさん用出入口

たまりも味噌も木桶仕込み(千賀味噌は木桶ではない)。仕込み用の食塩水を作るのも木桶。

丸大豆を圧搾した後は、自然沈澱で油を濾過。昔からこの仕組み。最近、脱脂加工大豆から丸大豆醤油を作りはじめた醤油蔵が、どうやって油を濾過しているのか見学にきたそう。

1番深い所に溜まり醤油がたまる

海の幸には海の醤油

沢田社長の言葉で印象的だったのは、

「目の前が海であるここの蔵で作られた醤油は、やはり海の幸にぴったりです。刺身はもちろん、魚の煮付けとの相性がいいです。」と。

ワインや日本酒を選ぶ時、魚介には海側で作られた酒が合うというセオリーの元選んでいる。
沢田社長の言葉を聞いてはっ!とした。醤油や味噌もそういう視点で合わせても面白いかもしれない。

まさに、テロワール。

徳吉醸造株式会社

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