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コーヒーの淹れかた

 コーヒーは生豆の選定、焙煎、淹れ方で味が全く変わります。私のコーヒーの淹れ方は王道から かけ離れているとは思いますが「淹れる」という工程の意味を深く感じることができると思います。

 まず、生豆の選定と焙煎は、自分では なかなかできないので好みが合う店を探す事になります。私が気に入る焙煎をしてくれる店を10年程前にようやく見つけることができました。それまでは「自家焙煎をしていそうな店を見つけては豆を買って味を確かめる」を繰り返す旅が何年も続いていたのでした。多くの店は焙煎が深すぎて炭っぽくなっているのです。本来のコーヒー豆の香ばしい香りを楽しむには中煎りくらいがよろしくて、ロースト具合でいうとシティロースト(city roast)からフルシティロースト(full city roast)の辺りです。焙煎工程では 焦がして豆の水分を飛ばすのですが 焼きすぎると香りも飛んでしまうので、程々の焼き具合と ある程度の豆量で焙煎しないと 香り高い焙煎はできないようです。見つけた店は一度に2kgの豆を焙煎していました。200gから焙煎してくれる店もありましたが2kg焙煎の味からは遠いと感じました。焙煎した豆の生きが良いのは焙煎1~2日後から一週間以内と感じています。なので、一つの種類の豆ごとに、一週間以内に2kg以上消費されていかないと 生きが良い豆を手に入れることは難しくなります。幸い、見つけた店の売れ筋の豆は2~3日で2kgが消費されているので、大体焙煎から2日位内の豆を買うことができます。

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 ドリッパーにはステンレス網のフィルターを使っています。ペーパーフィルターは どうしても紙に含まれる糊の匂いが気になるので止めました。ペーパーフィルターを使用している人は、コーヒー豆を入れずにお湯だけをペーパーフィルターに通し、下に落ちるお湯の匂いや味を確かめてみてください。通したお湯を毎回捨て、二度、三度と湯を注ぎ、匂いや味を確かめてみてください。何度洗っても糊の匂いが判るはずです。
 もう一つステンレス網フィルターに変えた理由があります。それは湯が通る速度です。紙よりもステンレス網の方が速いのです。
 コーヒーを淹れるという事を見つめ直すと、お湯という液体でコーヒー豆の中の 湯に溶ける成分を抽出するという化学処理的な工程とも言えます。抽出されるものは、分子量の小さな物から先に抽出されるので、軽い香りが最初に、苦味の様な重い味は後から抽出されます。お湯の通りが速い程 分離しやすくなるのです。

 私が3年前に1500円で購入したのは以下の物なのですが、今は同じ物は無く、似た物がいくつか売られています。
https://www.amazon.co.jp/dp/B01G5097N4/

 以下の物が後継品か類似品です。
https://www.amazon.co.jp/dp/B084V3CRG7/
https://www.amazon.co.jp/dp/B083FCLJ3B/
https://www.amazon.co.jp/dp/B073RXB8VH/
https://www.amazon.co.jp/dp/B07RY4S9YK/

 一杯のコーヒーには豆を約10g使うそうです。私の場合は40gの豆を挽いて4回に分けて淹れます。55cc, 55cc, 55ccと3杯、最後は235ccです。合計400ccですから、4杯分としては少し少ない抽出量です。1杯目は湯を一気に入れて30秒以内で55cc抽出します。湯を入れると粉から泡が吹き出るので溢れそうになりますが5秒程度の時間差で濃い抽出液が出てきます。その後、お湯を注ぎ足しながら連続して2杯目、3杯目、4杯目と抽出します。

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 最初の55ccは香り豊かで酸味も苦味も少ないです。次の55ccは香り豊か目ながらも酸味と苦味も含まれバランスが取れています。3杯目の55ccは酸味が強くなってきます。4杯目の235ccは苦味が強くなります。
 1杯目は250cc、2杯目は200ccに、3杯目は150ccになるまでお湯か牛乳で割ると丁度良くなります。4杯目はそのままの濃度でゼラチンを混ぜてコーヒーゼリーにすると丁度よいです。

 是非、丁度良い濃度にしてから1~4杯目の味を比較してみて下さい。同じ豆でも抽出時間で随分と味が変わることが解るはずです。ペーパードリップでのお湯の入れる速度や、サイホンで煮出す時間を調整するという従来の「コーヒーを淹れる」という作業は、この4杯のコーヒーをどの様な割合でブレンドするのか?という事に等しいのです。水出しコーヒーは低温なので抽出速度が遅く、軽い成分が優先的に抽出され苦味はあまり抽出されません。つまり、この方法の1杯目に近い味のはずです。
 自分の好みの味になるようにコーヒーの淹れ方を工夫している人は居ると思います。是非参考にして下さい。

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