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反出生主義について思ったこと

YouTubeで流れてきたABEMAの動画にて、反出生主義を取り扱っていたので、それについて軽〜く書いてみます。

まずサムネの主張がおかしいですよね。
彼について私はよく知りませんが、彼がハマっていた=危険思想じゃないというのは、根拠が乏しいように思えます。

田中さんの主張もおかしい。
99人の幸せな人がいても1人が不幸なら100人生まれないほうがいいとある。
おそらく「99人が出生主義でも、1人でも反出生主義の人がいれば100人生まれない方がよい」という主張だろう。

しかし99人は生まれたくなかったとして、1人だけが生まれたかった場合はどうなるのだろう?
少数派の意見を採用するならば、反出生主義が多数になった時点で、100人生まれる方がよい事になる。逆ならば田中さんの主張通りになるだろう。
それともいついかなる場合でも反出生主義が優先されるのだろうか?
その場合、反出生主義を押し通す根拠はあるのだろうか?
どれだけ辛い目に遭っても生まれてきたい人を反出生主義では救えない。
万能な主義主張や手段は存在し得ない。

当然の話だが生まれてこなければ、自分が幸せか不幸せかも知覚出来ない。
反出生主義が広まったとして、生まれたかったのに生まれる事が出来なかった出生主義の人々はどうすれば良いのだろうか?
生まれてない、生まれる事が無いのだから物理的に声を出す事は出来ない。
文句を言う事すら出来ない。

反出生主義は逃避行動のように思える。
恵まれない環境で育ったり、暮らしていれば心が折れるのは当たり前だ。
しかしそれは恵まれない環境が悪いのであって、生まれない方が良いと結論付けるのはあまりに短絡的では無いだろうか?

自分が不幸だから人類は緩やかに絶滅した方がいいというの、主語の広げ過ぎだし、私が幸せだから反出生主義の人も出生主義になれと言っているのと根本的には同じだという事を理解しているのだろうか?

もっとも反出生主義が多数派になり、人類が絶滅する可能性は低いだろう。
現在人間は死を克服出来ていない。
であるならば集団が存続するには世代交代が必要だ。
世代交代をするには自分より若い人間が必要になり、何らかの形で人間の供給がされなければ最終的には集団の構成員全員が老衰で死亡し、集団は消滅する。

反出生主義者が出生主義者を全滅させ、心変わりをする者が1人も現れなければ、人類は絶滅出来るだろう。しかしそのような事が実現可能なのだろうか?
反出生主義が蔓延したとしても、少数の出生主義者が生き残り、時の流れと共に数を増やしていくだろう。

人間は生物であり、生物の世界では増えた物が勝者なのだから。


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