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14日ルールの記事を見て思った事

皆さんは14日ルールというのをご存知でしょうか?
簡単に言えば「子宮に移植しないヒト胚は14日以上生かしてはいけないし、研究に用いるのも禁止。」という物です。

元々14日を超えたヒト胚の培養が困難だったのが、14日ルールが成立した理由の1つだそうです。
しかし現代では技術の進歩により、ヒト胚を14日以上生かす事が可能になりつつある。だから「14日ルールを見直そう」という話が出てきているのです。

いつから人になるのか?
人によって意見は様々でしょう。

いつから人になるのかは正直わかりません。
しかし少なくとも私さとかいは「その国で中絶が認められている日数以内なら、研究に用いても良い。」と考えています。
現在の日本であれば26週6日目までの胎児までなら研究に用いても良い…と言うより、その方が曲がりなりにも筋が通っているからです。


言葉を選ばずに言うならば、中絶は母体の中の胚…胎児を殺す事と私は認識しています。理由はどうあれ、過程がどうあれ、殺す事に変わりはありません。

母体の中の胎児の中絶が27週未満までで、研究等は14日までというのは不公平なように思えます。
お腹の中の胎児を27週未満なら合法的に殺せるのであれば、研究用の胚ないし胎児も27週まで生かしても良いと言えるでしょう。

もちろん中絶と研究用では過程が異なるというのは重々承知です。
若すぎる妊娠は母体の生命を危険に晒します。
もし母体が死ねば今お腹の中にいる胎児は勿論、将来産まれるかもしれない胎児も産まれなくなります。母体である人間やその子孫、あるいは彼らの影響を受けた人物が人類にとって有益な発明をしたりするかもしれません。
そういう意味でも中絶には一定の正当性があると言えるでしょう。

では研究目的で最終的に処分されてしまう胚や胎児はどうでしょうか?
研究の結果、多くの人々の命を救い、健康を守る事に繋がるかもしれません。
どちらも根本的には、多数派の利益の為に、少数派の犠牲を正当化しているのです。

しかし胚や胎児を研究に用いる事自体が虐待と考える人もいるでしょう。
研究用のラットを鬱状態にしたり、アレルギー反応をわざと起こさせたり…一般的な感性からすれば虐待に思えますが、これらは研究の為に必要な事です。
そして研究の成果を我々は享受しています。
犠牲無しには、現代の豊かで安全な生活は維持出来ません。

お腹の中の胎児は、堕胎されるまでは比較的穏やかに日々を送れるかもしれません。しかし研究に用いられる胚や胎児は、長期間何らかの悪影響を受け、穏やかな日々を送れないかもしれません。
そういう意味では研究にある程度の日数が経過した胚や胎児を用いるのは、虐待に該当するでしょう。

現実的に考えればおそらく、14日以上〜中絶が認められる日数未満が、研究用に生かせる制限になるのではないでしょうか?
中絶が認められている日数と同じになる可能性もありますが、生命倫理を主張する人々を納得させるのは難しいでしょう。

…もっとも多くの人々の価値観が変われば別ですが。

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