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50過ぎての再チャレンジ。LPIC Level1を取得してみた

LPIC受験の動機

私はここ10年ほど、レジ打ちとコワーキングスペース運営の人だったんですけど。
昔はIT業界にいました。会社員時代を含めいちばんやってたのがサーバ関係。みんな自前サーバ(今でいうオンプレミス)だった時代です。自分でも忘れてたけど、15年前個人事業を始めたときはサーバ管理屋さんでした。資格は旧情報処理二種以外持ってません。
その後興味がWebやRailsやデザインやコワーキングスペースに移り、どれもこれもたいして仕事に続かず、才能もなく、できなくなって、紆余曲折の末小売業パートに。現在は、アルバイト生活。
実はしばらくPCに向かう仕事を避けてきました。デスクワークによる腰痛や手の痛みが酷くなり何をやっても駄目なため、逃げるように肉体労働にシフトしたのです。

家庭の問題、遠距離の親の介護などの問題が出てきて、場所にとらわれず暮らして生活費を稼ぐ必要が出てきました。そうなると、やっぱりPCさえあればどこでも働けるほうがいい。
そういえば自分の原点ってサーバ構築だよな、Linux楽しかったな。今はクラウドだよな。クラウドぜんぜん知らない。
ふと、少し前IT系の会社の方と就活で話したとき「LPICなどの資格はあると有利ですよ。クラウドでもLinuxの知識は要ります」と言われたのを思い出しました。資格かぁ。今更だけど、資格取ってみようかな。Linuxだったら楽しく勉強できそうだし。というのが受験を決めた経緯です。

昔の仕事ではLPIC Level3くらいのことはやっていたと思うので、そこまで知識を戻すべく、Level3を目指します。

LPIC101-500受験

勉強方法

あずき本と呼ばれるLPICレベル1version5.0対応のテキストと、ping-tで勉強しました。
あずき本はこちら。

ping-tは各種IT系の資格取得を応援するサイトで、膨大なコンテンツが利用できます。さらにping-tから割引チケットを購入することで受験が少し安くなります。貧乏人にはありがたい!

本の購入とping-tへの登録をしたのが3月。VirtualboxにUbuntuとCentOSを入れてあずき本を見ながら触りつつ確認していきました。若いころに叩きこんだ知識は容易に消えないようで、手が覚えていました。でもsystemdなどぜんっぜん知らない世界です。懐かしいのと驚きと半々、のんびりやっていたので一向に勉強が進みません。これではいけないと5月に受験日を設定。

Ping-tで問題を繰り返し解くことでコマンドオプション等は暗記、覚えられないところは自前ノートで問題集を作りました。自前ノートは登録販売者や日商簿記の資格取得の時もやった方法。
Ping-t、あずき本で確認、実機で確認、さらにノート。を繰り返してPing-tの自由演習で9割以上とれるような状態になりました。続いて模試を繰り返し。Ping-tのコマ門も試験1週間前くらいからやりました。最終的にこちらも8割とれるようになりました。
apt、yum、dpkg、rpm、zypperのオプション一覧は自前で表を作って繰り返し参照しました。

試験直前に親が急に体調を崩して帰省、試験を急遽一週間延期するというトラブルもありました。

受験

LPICは会場受験とオンライン受験があります。オンライン受験は不正防止のため余計な物がない環境を準備しなければならないとのこと。自宅の騒音が酷いのとネットワーク環境が貧弱なのと部屋も汚い、ということで会場受験一択。
会場は複数のオンラインテストが行われるテストセンターで、市中心部の交差点に接してます。換気のため窓を開けているので、車や宣伝カーの音がけっこううるさかったです。(それでも自宅よりはまし)防音イヤーマフや耳栓の用意もありました。使わないでいたら他の受験生の出入りと、スタッフがその人と会話するひそひそ声がけっこう気になっちゃいました。

テスト自体は、翻訳した日本語の文が微妙で「ちょっと何言ってるかわかんない」のに遭遇しました。そんなときは英語の原文も確認できます。
なに言ってるかはなんとかわかるけど、知らない!という問題もばんばん出てきて、途中からは高得点より「ギリギリ合格狙おう」という気持ちになりました。

ping-tや問題集の模試ではだいたい30分で解けていたけど、めちゃくちゃ自信がなかったのでじっくり見直して60分くらいで終了。

得点は、660/800でした。合格。
できれば解答・解説を確認したかったなぁ。その場だけで持ち帰れなくていいから…

LPIC102-500受験

勉強法

101の経験から、さっさと問題に向かった方が良いと思ったので、あずき本は流し読みし、後はがんがん問題を解きました。
ping-tの問題集は102以降有料になります。課金しました。その価値は充分にあると思います。あずき本で網羅しきれていない内容も出てくるし。

mncli、ip、route、ss、lsof、fuserなどのサブコマンドやオプションを覚えるのに苦労しました。
特にnmcli。up/downかon/offかconnect/disconnectか…実機を触って動作確認を繰り返しました。さらに疑問に思ったことは検索するとQiitaなどでいろんな人が情報提供をしているのでありがたかったです。
IPアドレスの問題、例えば/26の時使えるアドレスはいくつ?これ、計算が不得意な私には苦手意識がありました。そこで一度二進数と図でずらずらとノートに書いて、納得した上で暗記しました。
躓いたところはノートに書いて自前問題集にしたのは101の時と同じです。

ping-tのコマ門も繰り返しやりました。中途半端な記憶を鍛えられます。複数形かどうか、などは間違いやすいポイント。(ex. alias、newaliases、/etc/sudoers、sources、sourcestats)

また、微妙な日本語に悩んだときのために、英語の問題も読めるようになったほうがいいと思ってこちらのサイトの問題もやりました。

受験

101と同じ会場。前回の経験を生かして今回は最初から耳栓をもらって臨みました。日本語訳がおかしいところがまたありました。
20分くらいで終わってじっくり見直しして、30分少しで終了しました。770/800という前回より高得点で合格!セキュリティ以外は満点でした。

LPIC Level1を取得できました

暗記ゲーみたいで楽しく勉強できます。LPICを〇日で!みたいな動画やブログもあるので、若い人は楽に取れるんじゃないかな。自分はリハビリも兼ねてなるべく実機で動作確認するようにしました。
正直、このレベルで仕事につながるとは思えないです。現場で必要なのはコマンドオプションを覚えることではなくmanの英語を読んだりドキュメントを読めたり適切にググれる能力だと思うので。そのあたりはまだまだ。英語が全然読めなくなっているので引き続き鍛えていきたいところ。

余談:cronは「くーろん」?

102の勉強してたときふと疑問に思って調べて結局わかんなかったのですが。
「cron」「crontab」をなんで我々は「くーろん」「くーろんたぶ」と読むのでしょう。自分も会社員時代そうだったので脳内でそう読んでしまいます。英語圏の方はもちろん、そんなへんなとこ伸ばしたりしません。ですが日本人のLinuxレクチャー動画を見るとほとんど「くーろん」です。中には「『くろーん』ではなく『くーろん』ですので注意しましょう」と断言しているのも…。
「くーろんはダサいからやめよう」と主張しているブログもいくつか見つけました。みんなチラッと変に思ってるけど、別に業務に支障はないのでそのままなんでしょう。正しいか正しくないかは正直どちらでもいいのですが、いつ誰がそう呼びだしたのか気になります。
検索してみたんですが、ネット上ではわからなかったです。私がUNIXいじりはじめたのがインターネット黎明期で、そのさらに前だから、ネットにソースはないんでしょう。大昔のUNIXの奥地に行く手段があれば、発生源を見つけられるかも。

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