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〇の手術をした話

先日、〇の手術をしたことが衝撃的なので語りたい。
意外に女性に多いとされている〇。
〇との格闘記録だ。

私が〇と対面したのは、約一か月前ほど。
私の肛門に突如出現した〇は小指の爪ほどの大きさだった。

最初に出てきた時、またか…。と思った。
というのも、もう何年も前から、お通じの時に出血するのはよくあることで、たまに〇がひょいと顔を出すことはたびたびあったのだ。

引きこもりの〇は、常時顔を出すことは今までなかった。
〇は場をきちんとわきまえており、今はダメだよと促すとちゃんと引っ込むのだ。

だから、私は〇が顔を出してから、すぐに引っ込めようとした。
しかし、今回の〇はなかなかしぶとかった。
引っ込めても体勢を変えたりするとすぐに出てきてしまうのだ。

ついに〇は、一週間たっても、二週間たっても、引っ込もうとしなかった。
今までは、素直な子だったのにどうしたんだろう…。

私は心配になって、専門のお医者さんに〇を見てもらうことにした。

医師「これは、二週間たっても引っ込まなかったら切った方がいいね」
私「切る…」
医師「簡単な手術だから、今からでもよかったらすぐできるけどどうする?」
私「いや、待ちます」

私は、一縷の望みをかけて、〇が落ち着いて引っ込んでくれるのを祈って待った。

すると、翌朝、奇跡が起きた。

最近、ずっと出っぱなしだった〇が朝起きたら引っ込んでいたのだ!!

きっと、昨日”切る”という言葉を聞いて、急に怖くなったのだろう。
私はいとおしくなった。
切らずに治そうね。そう言い聞かせて、お薬を塗って出かけた。

〇は午前中、出てくることなかった。
私はルンルンだった。
なんだ、治るじゃん♪

しかし、午後、座り仕事の途中、お尻に違和感が走った。
ずるりという感覚があって、トイレへ行ったらやはり出ていたのだ…。

引きこもりの私の馴染みの〇はもう変わってしまっていた。
私はそんなにアピールされたりするのは好きじゃない。

その後、何度か出たり引っ込んだりを繰り返したが、結局お通じの時にうまく拭けないし、こするので炎症を起こしそうに何度もなるし、何より違和感がずっとあるのがストレスとなり、私は〇を手術で切り落とすことにした。
待てなくてごめんね…。

〇の手術をする…。

ちょっと悲しいし怖いが、
これはもうネタだと思って楽しむことにした。
それが、〇への私の華向けにもなると思っていた。

もう手術の数日前には、きっと〇の手術をした人としてない人で、人生観が変わるだろうと思って、面白がることに決めていた。というかもう面白がるしかない!

少し人に言ってみた。

「実は、〇の手術するんだ」
「明日、〇の手術だからお酒飲めない」

ちゃんとみんな心配しつつも笑ってくれた。というか笑うしかなかったのかもしれない。
よしネタにしよう。私は覚悟を決めて、手術に臨んだ。

手術はちゃんとオペ室で行われた。
この町医者にオペ室あるんだ~と感動した。
私の主治医はおもしろい人で「最後に、何か言い残すことはないですか。」と言ってくれたが、私は緊張で饒舌になっていたので何を言ったか覚えていない。

局所麻酔で起きたままオペとなった。
麻酔がちょっと痛いかも、と言われたが、なんてことない。
歯医者の麻酔と同じくらいのチクッと感で、手術は難なく終了。
私は肛門に注射をするという珍しい経験を得て、〇とおさらばした。

さようなら、私の引きこもりくん・・・。
〇は本当に小さな子だった。

私は、局所麻酔で酔っぱらいのようになってしまった。
今まで麻酔で何か起きたことはなかったけれど、緊張のせいなのか、ふわふわした感覚になって、歩行がおぼつかない。

しばらく横になってて~と言われて、二階のちゃんとした病室に案内され、ベッドに横になった。
ベッドもソファもTVも個別のトイレもあり、むしろ私の部屋より広い。
この町医者にこんな病室があるのか~と感動した。

お小水に行きたい気がしたけれど、全くでない。
緊張のせいなのか、それとも麻酔の影響で筋肉が弛緩しているせいなのかわからない。下半身に違和感をかかえつつベッドにおとなしく横になることにした。

けど、麻酔の酔っぱらい効果による饒舌は治らない。
看護師さんが行ってしまったので、私はその日休みを取っていた妹に電話して、話し相手になってもらった。

「ふわふわする~、あ~変な感じがする~」
ときっと妹をより心配させただろう。ごめん、妹。
でも、妹の旦那も痔瘻の手術を以前していたので、先輩として助けてくれという感じだった。

30分後、診察室で先生に診てもらい、その日は家に帰った。
しかし、なんか怖いし不安だし、急に泣きたくなった。
ずっと平気なふりをしていたけれど、歩くのもやっとだし、座ると違和感凄くて座ってらんないし、もちろん自転車にも乗れないし、食欲ないし、泣きたくなった。

一人で術後過ごすのはよくない。

でも、自分にご褒美あげたくて、スーパーでハーゲンダッツの新作を買い、何とかロキソニンを飲むためにちょっとだけ食べるものを買い、ふらふらで家に帰った。

ちょっと食べて、ロキソニンと抗生物質を飲んで、座るのも立ってるのもできないので横になった。
しかし横になっても、肛門が気になってしょうがないので、寝られない。
状況としては面白いと思いつつも、当事者のわたしはおもしろいどころじゃない。

もしこの麻酔が切れた後、激痛が走ったらどうしよう…。
何とか気をそらすためにヒロアカの続きを見はじめ、アニメに集中しようと試みた。が何度も発狂しそうになる不安があったため、ちょっと心を落ち着かせる薬を飲んで(一応持ってるのよ)、何とかハーゲンダッツが食べられるテンションになり、午後の仕事に行くことが出来た。(えらい)

何かやってた方がむしろ恐怖から逃れられる。
うーん、でもドーナツクッションくらいあった方がよかった気がする。

午後の仕事が終わってからも、横になってヒロアカを見続けた。
推しのかっちゃんが主人公のデクに「ごめん」というシーンとその他もろもろで号泣。
ありがとう、かっちゃん。ありがとう、ヒロアカ。ありがとう、堀越先生、ポンズさん…。私の肛門への恐怖から救ってくれて。みんな私のヒーロー。

翌朝、あまり痛みはなく、結局麻酔が取れてからもあまり痛みがないことに気が付いてほっとした。
その日も病院へ行かなきゃいけなかったが、その後俳優のトレーニングを入れる余裕さえあった。その時は…。

病院は、めちゃくちゃ混んでいて結局3時間待ったが、術後の確認としてどうしてもその日行かなきゃいけないため待つ。
でももう座ることも余裕でできるようにいなっていた私は座れる喜びをかみしめつつ椅子に座って待った。
しかし、患部に機械を入れて内診があった。それがめちゃくちゃ痛くて泣いた。手術より痛い…。
内診後、しばらく再起不能になりつつ、げっそりして家に戻った。

その時点で3時半。俳優のトレーニングまであと2時間半。

「お通じ我慢すると痛いから頑張ってしてね」と言われたが、内診であんなにに痛かったのに、力むなんて恐ろしくてなかなかできない。と思ったのに、家に帰ってご飯を食べて、しばらくして、私はついにその時が来てしまった。

術後はじめてのお通じ。
家で力むと、もう今までとはレベチの痛みが襲ってきた。
肛門だけではなくもう前も足もガタガタになるほど痛い。
こんなに痛いなんて聞いてない!!!
ショックもあり、しばらくまた歩けない、座れない、痛い、身体の緊張が取れないでまた再び再起不能となり、さすがに泣いた。

俳優のトレーニングまで残り二時間を切った。

トレーニングに行かなきゃいけない時間にはなんとか、なんとかうごけるようになり、「こんな時でも芝居が出来なきゃ、俳優とは言えない…」と自分に鞭を打って出かけた。

でも電車の中もしんどい。いたいのに座れない(´;ω;`)

とはいえ、いつなん時でも芝居ができるのが俳優だと思っているので、こういう時もチャンスと受け止め、痛いだけ痛いだけと言い聞かせて、ちゃんとやってきた。もうその時点では痛みもなかったし。

ということで、最初の日のお通じの痛みは二時間ほどであった。
きっつー。泣
皆さん注意してほしい。でもなんとかはなるよ。
一人暮らしは泣きたくなるから注意してね。

そして翌日は最初1時間、二回目は30分であった。
ちょっとづつ再起不能時間が短縮されている。
一回ごとに半減するのかと思った。

しかし、翌々日の今日は…再起不能時間はまたしても30分であった。
ううう。。。まだまだだ(泣)
調べたところ、一週間くらいは痛みも出血も続くらしい。
でも、痛いだけ痛いだけ、と呪文を唱えるようにしている。
血が足らない感じは常にするけど!!!

そして、明日からドラマの長期の撮影初めてでワクワクだが、術後の痛みが心配。
しかし、食料がないという飢餓的な状況に置かれて苦しむ役なので、逆にいいかもれないと今は楽観的に考えている。

私がドラマの中で苦悩の表情を浮かべている時、もしかしたら〇の術後の痛みに耐えているのかもしれない。


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