歩みとかたち。(I walked, and made this works.)
2017年夏、“toro”という曲を作りました。
アートイベントの「オジフェス」に参加した際、五城目町の方を散歩し。
山々の雄大な風景、大雨の後で水量の増した川、その上流の清水。
感じ入ることの多かった景色をイメージし、この曲を作りました。
以前にSNSやsoundcloudで一部公開していましたが。
収録に向けて新録した音を加え、再編集しました。
秋、“little sense monologue”という曲を作りました。
このタイトルでsoundcloudに公開していましたが。
今回は一部の音だけを残しまったく違う楽曲になっています。
この曲はもともと、ある遠く離れた街をイメージしていました。
しかし後に、もっと自分の内面を出すような曲にしたくて。
アレンジを何度も変えながら、ドラムとピアノを主にした楽曲になりました。
そして、このアレンジが、次の作品のイメージに繋がりました。
2018年春、依頼された映像に載せる楽曲としてピアノを主にした音楽を作りました。
“same old tomorrow's glow”というタイトルで収録します。
山々に囲まれた地域で暮らし働く人を紹介する映像。
負けないように、音楽でも表せるように制作しました。
夏、“astraea”という曲の原型を作りました。
ループするトラックに合う歌詞とメロディが出来た頃には、もう秋になっていました。
そして仮歌を乗せたとき、この曲を収録したアルバムを作りたいと思いました。
アルバムタイトルは、『feel like, feel right』、メモに残しました。
そこからボーカル録音、歌に合わせた編集。
気がつけば、制作に1年かかっていました。
秋、“astraea”の打ち合わせ中に、“ただ広い暗闇、欠伸をした信号機”が出来ました。
偶然に生まれた曲だと思っています。
ボーカルの橋本愛里さんと、これはいい曲になると確信し、すぐレコーディングをしました。
冬、“ランプを灯せば”を歌ってみたいと橋本さんから提案してもらいました。
音メモ32としてピアノだけ公開していますが、歌詞と歌はあるのになく。
カヴァーしていただいたものがyoutubeで聴けるだけでした。
今回、きちんとしたかたちで、残すことができました。
2019年春、“reprize”という曲を作りました。
以前に“travesty”というタイトルで演奏していた楽曲をサンプルに。
「子供が道路にチョークで描いた飛行機で遠くへ行きたい」
ふとした瞬間の、たわいもないため息をテーマに作りました。
途中PCが壊れ、制作が一時中断。
新環境で編集作業を続けました。
上記の楽曲がまとまったのは、夏の暑さがようやく過ぎた頃。
秋、“bange”という曲を作りました。
kota okuyamaくんのギターを僕がレコーディングし始めたのは、4年ほど前。
今回もセッションをしながら作っていきました。
予定になかった歌の録音も、歌詞も、その日のもの。
soundcloudで公開していた、“rain is always looking for clouds”。
そして、“alphabetagammadelta”を収録することを決めました。
1st Albumには「田舎っぽさ」が大事だったので、省きました。
今回は「自分の好きなもの」「自分の内面」「半径10キロのこと、半径3キロのもの」という裏テーマがあり。
そこに収録できると思いました。
PCで音楽を作り始めた頃の曲をリミックス、リマスタリングする経験。
少し恥ずかしいけど、すとんと腹に落ちる気持ちでした。
冬、PROGRESSIVE FOrMさんから、リリースに向けてこれらの楽曲にいくつか音メモを加える提案をいただきました。
“ongoing”。
音メモ35より。
音メモを作り始めて2年が経ち、さらに前進したいという気持ちを込めた曲。
足音は公園の中にある木の階段を何度も登って録音しました。
“rufous scene”。
音メモ39より。
帰宅中にふと思いついた言葉と旋律をその場で録音し、その後音を加えていきました。
自分の声を使うか悩んだ気がします。
2nd Albumでは、迷いなく自分の声を活用できるようになりました。
“break in the parking”。
音メモ33より。
夜のドライブ、外は雨。
ハザードの音に合わせてコンビニのコーヒーカップを叩きました。
“the hot-air balloon floating in the chilly sky”。
音メモ48より。
毎年春には気球をテーマにした音メモを作ってきました。
その中でも、いちばんシンプルなピアノ曲。
この4曲を収録することとなり、再編集を行いました。
そして最後に作ったのが、“天気雨”。
他に収録候補となっていた新曲がどうしても納得いく出来にならず。
以前に録音し未発表だった曲をサンプルとし、組み合わせました。
これで収録曲が出揃うという緊張感と高揚感が感じられると思います。
2020年1月、これら15曲が収録された2nd Albumのリリースが発表されました。
前回のリリースから、音メモを含めればかなりの数の曲を作りましたが。
『feel like, feel right』というアルバムタイトルに見合う楽曲を揃えました。
3月、手元に、この過ごした時間がかたちになって届きました。
発売を静かに待っています。
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