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伊勢路1〜自分の中で年月が流れていたことを実感する

2020年1月13日(月)
4時半に目覚ましをかけた。

夜明け前の真っ暗な中、内宮へお参りに行く。昨日の日中の混雑さとはうってかわっての静けさ。命を育むために必要な漆黒の闇。

参拝後は縁起物を頂くという気持ちで赤福へ。小さい子ども3人と若夫婦が火鉢を囲んで赤福を食べている。今までだったら独りの我が身と比べて落ち込むような感じが出てきたのだけど、今回は何か違う。とても微笑ましいのだ。人が喜んでいるのを見るのが嬉しいと思うこともまた、大きな幸福だということに気がついた。

今日は成人式だった。明るく清潔な食堂で朝食を頂きながらふと、私は「自らの意志で大人になる」ことを決め、宣言し、体現してゆくための最初の一歩としてこの旅をすることを決めたのではないかと思った。通過儀礼としての旅。

半世紀近く生きているのだからとっくに大人なんだけど、時間の流れに任せて自動的に大人になることと、自分で決めて大人になることは全く違うことだと思う。

さて歩き始めると、想像していたより自分の様子が違っていた。何となく落ち着かない。何よりも右の膝が痛い。初日でこれではこの先どうなってしまうんだろう。そんな思いがグルグル回っている中、早い時間に宿に着いた。

短い距離と時間だったけど恐ろしく疲れて、もう一歩も動きたくない。幸い部屋に入れてもらえたが、これまた久しぶりの古めの宿。昔の自分だったらあまり気にならなかったけど、今の自分ではちょっと落ち着かない感じ。我が侭になったのか、自我がはっきりしてきたのか分からないけれど、改めて時間が流れ、自分が変わっていたことに気がついた。

古い和風のお部屋も、膝の痛みも、これまでの自分だったら、ただ気分が落ちるままにしていただろう。でもそれでは何も変わらない。自分が快適に過ごせるようできるだけのことをして、膝が痛くならない歩き方をユーチューブで検索してストレッチしたり試したりしてみたら、気分も落ち着き、痛みも減ってきて自分の気分も変わってきた。

そう、どんな時でもどんな場所でも、自分でいくらでも変えてゆけるんだってことにリアルに気がついた。

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