今月読んだ本から

「銃・病原菌・鉄 1万3000年にわたる人類史の謎 」ジャレド・ダイアモンド著(草思社文庫)

世界の文明はいかにして作られたか。植民地はどのように成立していったか。文明の世界史をひもとく名著。以前読んだことがあるが、今回改めて読むとすごい発見があった。とりわけ、現在は新型コロナウイルス感染のこともあり、再注目されるようになった。それにしても、植民地を広げる人々の凄まじさは恐れもあるが、世界をより良くするためでも奔走していったのだろう。

グローバリズムの今だからこそ、読んでおきたい人類史&文明史の代表作。進化するとともに便利で豊かになる一方、災いもある。タイトルは、それを象徴しているといえる。新型コロナウイルス感染で、日常生活が過ごしづらい今、病原菌で苦しめられた人々が身に染みる。本書は我々人類に贈られた叡智のプレゼントである。このプレゼントを、私たちはどのように読み、活かしていくかで、今後の世界の未来が見えてくるっていえるだろう。

令和日本の敗戦 田崎基(ちくま新書)
安倍政権が発足してから8年目、今や風前の灯火または黄昏を迎えようとしている。これまで安倍政権下で起きていること…労働、経済、憲法そして社会を焦点を当てて、腐敗する安倍政権の正体を炙り出した警鐘の書。本書を読めば、いかに安倍政権が冷酷で恐ろしいかわかるはずだ。著者は神奈川新聞の記者で、さまざまな社会問題を取材し続けている。その問題に取り組む視線は、鋭く冷静で人間味もある。安倍政権への批判は、人間らしい社会に繋がっている。そのことを証明している。今からでも遅くない、本書を読んで今の現実に向き合って、考えよう。

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