「風よ あらしよ」村上由佳=著
アナーキスト(無政府主義者)として、自分のために生き愛した伊藤野枝。明治・大正のなかで生きた激動と波乱の生涯を、彼女を取り巻く人物の視点を通して描いた、恋愛小説の第一人者の評伝小説の誕生だ。
伊藤野枝はたびたび人物伝的なエッセイや、栗原康の評伝で読んだことはあるし、瀬戸内寂聴の「美は乱調にあり」などで知られる。
翻訳家で教師だった辻潤とアナーキストの大杉榮の妻であり、7人の子の母で文筆家として革命家でもあった彼女。
今回の村山由佳の本作では、彼女の人生を掘り下げながら、今を生