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ウイルスの次にやってくるもの。

新型コロナに関する情報を追っていたら、とある地域の感染者を可視化するという図版(以下、感染者マップ)を見つけた。市町村名のほか、企業や店などの実名、年齢、感染ルートなどが書かれており(さすがに個人名はない)、地元民からは称賛を浴びていた。

感染を避けたい今は、あってもいい情報かもしれない。だが、ネットの情報は何年経っても残る。そう考えると、いつまでもスティグマとして、実名で出ている企業を縛り続けてしまうのでは……と思った次第。いや心配し過ぎと言われるのもわかるんだけど、自分の中で悶々としているので吐き出してみる。

※途中の意見がどぎつくなったの削除。展開おかしくなってスイマセン…

破産者マップ事件を振り返る。

本題に入る前に、2年ほど前、ネット上で話題になった「破産者マップ」事件について触れる。官報に掲載されている破産者情報をもとに、Googleマップとして可視化したサイトで、形態としては不動産の事故物件掲載サイト「大島てる」に通ずるものがあるだろう。

破産者マップは、人権やプライバシーの侵害、名誉棄損につながるからと大批判を浴びる。官報に掲載されている、公開済みの情報をもとにしているサイトではあるので、誰が破産しているか否かは調べればわかる事実ではある。だが、情報を加工し、可視化することで、世の中に伝わりやすくなり、破産者の名誉棄損に直結する可能性が高まるという側面もある。

結局、批判の声が強くなり、破産者マップは閉鎖という選択を取る。だいぶ端折ったので詳しくは下記参照。

※上記リンク抜けていたので修正(2020/4/29)

情報の加工が、意味を変える。

※この段落も追記などしてます(2020/4/29)

感染者マップも既に新聞等で発表になっている情報を可視化したに過ぎない。だが既に出ている情報を加工しただけだから問題ないというロジックで語ってしまうと、構造は破産者マップと一緒になる。

情報を加工すると、情報の意味を変えてしまうこともある。その点はライター業の人間は四六時中意識すべきことだと思う。

「善意」は善なのか?

感染者マップは「善意」の存在であり、避けるために助かっているから必要だ的な意見が多数を占めているのはわかる。ただ、繰り返しになるが、ネットの情報は何年も残る。5年後、何気に見たその企業や店の名前に、我々は何を思うのか?という長期的視点は忘れないでおきたい。

今回のタイトルは日本赤十字社の動画「ウイルスの次にやってくるもの」からいただきました。(つーか、これを最初に乗せておくべきだったか?)





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