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Riverdance

ずうっと昔に、確か東京国際フォーラムだったと思うけれど、『Riverdance』をみた時、アイリッシュダンスというのを初めて知り、そのダンスと音楽にものすごい感動した。
それでCDを買って、何かの折に今も聞いている(さすがに今は、すぽちふぁいだけど)。
女性の独唱、それと男女混声合唱がクリスマスを思い出させて、音楽も全体的に『冬』をイメージさせるので、雪が降り始めるころ頭の中に流れ出す音楽だ。

次の公演、そのときも国際フォーラムだったか、それともBunkamuraだったか忘れてしまったが、「あの感動をもう一度」というチラシを見て、もう一度見に行った。
ちょっと雰囲気が変わった感じだったが、アイリッシュダンスの、地上10センチあたりをふわふわと蝶のように舞っているようなステップは変わりなく、サウンドも美しかった。

そして先日、やっぱり「あの感動をもう一度」という文言をJ-WAVEで聞きつけて、もう一度、25周年公演を東京ドームシティホールまで見に行ってきた。

席が3階だからそう見えるのか、以前見た会場よりも舞台が狭いように見えて、あの広さではライン陣形とか、円陣とか、十字形組んで回ったりとか(ダンスについてはさっぱりど素人なのでなんて言うんだ?とにかく群舞のフォーメーション)、迫力が削がれそう・・と思って開演を待った。

楽器隊も狭そう。
右に一人のリズム隊。ドラムパーカッションの人、いろんな打楽器たくさん担当。
左にソロ楽器隊。サックス、バイオリン(フィドルというのかも)、縦笛(ロー・ホイッスルというのかな。フルートが縦になったような吹奏楽器)、の3人の演奏者が小さい椅子に座っている。

やっぱりすごい

でもいざ始まってみると、会場と客席が近くてよかった。
近い分、打楽器のリズムが直に心臓に伝わるよう。
フラメンコを踊る女性の、なんというか情熱のオーラが舞台から客席へと放射する感じ。
くるくるクルクル、多分ロシアの方の民族舞踊を取り入れたダンスかな、とにかくクルクルと舞台の端から端まで回転する凄技。

そしてやはり圧巻はアイリッシュダンス隊の一糸乱れぬ足捌き、そこにわけいる男女トップダンサー2人の際立つステップ。
それまではものすごい真剣、または情熱的に踊っているダンサーさんたちが、フィナーレでは満面の笑みでものすごく楽しそうに踊る感じ。
盛り上った観客の手拍子やスタンディングオベーションと、舞台がひとつになってる感じ。
一番すごいのは、ずっと一人でリズムを打ち鳴らし続ける男性演奏者。ドラムセットはもちろん、そのほかダンスに合わせて様々な打楽器を一人で叩き続け、時々は演者として舞台にも出る。
すごい体力だ。

思い出の人たちに見てほしいと感じた舞台

昔、知的障害のある人たちと一緒に音楽をやろー!という活動に参加していたことを思い出した。
リバーダンスは、開演時に少し英語でお話しするが、字幕が入らず英語がわからない人は理解できない。
背景の映像とダンスから、多分、民族の歴史や厳しい自然環境の中、人々は今日まで生き抜いた、的な前振りかなぁと、わからないなりに想像するが、そこはとりあえず置いといて良い。

カナメはダンスと音楽だ。
言葉がわからなくても文化は違っても、大人、子供、高齢の人、誰もの胸に響くものがある。

靴のステップ音がよく響くのだ。
それは軽やかだったり群舞ならではの重厚音だったりするし 、それが打楽器とピタリピタリと合う。
ずれない。
時に、楽器や声楽が奏でる様々な旋律は、激しいリズムから荘厳な静寂へと引き離し、かと思うとまたしても心臓を揺さぶるリズム。聴覚的なインパクトは強烈だ。
またはダンスは瞬きを許さないほどなので、視覚的な展開も素晴らしい。

つまり、視覚または聴覚に障害があったとしても楽しめる舞台なのではないかと思うし、いやいや無理でしょ、ということなら、音楽大好きの知的障害のある方なんて、舞台と一体になって踊り出しそうなほどに楽しめると思うのだ。

障害と言っても、その種類は様々。
物理的バリアがなければ出ていける人もいるし、物理的な問題がなくても「一般的な健常者」の中にいることが自分自身、または家族の判断で無理、という人もいる。
映像もあるよ、と言われるとそうなのだが、ライブだからこそ感動できるものってあるんだと思う。
見る人を選ばない誰もが感動できる舞台だけれど、見にいきたくても行けない障害者はたくさんいるだろうなぁ、とか思いながら、昔一緒に活動した面々を思い出していた。

☆  ☆  ☆

それにしても東京はほんとに人が多い。

何かのイベントと重なったようだ

お昼はどこのお店も行列ができている。
帰りに冷たいものでも飲んで行こうか、ということになったけれど、どこも満席。テイクアウトしようにも、例えばスターバックスは店の外に何十メートルもお客さんが並んでいた。田舎ではスタバはドライブスルーするので、ちょっと気が遠くなった。

人が多い分、車イスユーザーさんともたくさんすれ違った。
田舎ではなかなかないことだ。

車イス席

一階の一番後ろの端に車イスのお客さんが来ていた。
私の場合、何のチケットでも買う前に電話で問い合わせてバリアの状況を確認するのだが、「車イス席」というのはだいたい最前か最後列の見にくい席なので、今回は先行販売手数料を払って3階のバルコニー席を取った(段差7段くらい。歩けないと難しい席。今回は介助者同行なので問題はなかった)。

ハハ。思ったよりも横すぎて見えにくかった。さらに頑丈な手すりと照明機器が視界に入るので、少し前のめりにならないとよく見えない。

こんな感じです

案外車イス席の方が良かったかも。

次はやっぱり正面!と思うけれど、日帰りで東京に行くのはものすごく疲れるので、これが最後かなぁ。
テツを、私より歩けないオットに預けていくのも心配だ。

最後まで読んでくださってどうもありがとうございました!