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【ついに完成】時間が経つと劣化するWEB。5年間の軌跡

2017年にはじまった「劣化するWEB」。時間が経つに連れて黄ばみ、アクセスすると文字がかすれていくWEB。
http://web-media.blue-puddle.com/degradation/

ついに本日で5年が経ち、こんな感じになりました。一旦のフィナーレを迎えたので、この5年間を振り返りたいと思います。

2022年2月24日(木)の劣化するWEB


1:つくった理由

2017年頃、時間をかけて何かデジタルコンテンツを作っても、一瞬で消費され、すぐ忘れられてしまうことを嘆いていました。とにかく「残らない」ことを寂しく思っていました。

構造上しかたないけど、たまには残るものも作ってみたい。しかし本質的に残るものなんて、そうかんたんには作れない。

そこで「強制的に賞味期限の長くなるWEBコンテンツ」を作れないかと思い、考えたのが劣化するWEBでした。みんなのアクセス数でかすれ、時間が経つと黄ばんでいく演出の入った、ふつうの記事サイトです。

リリース当時
だんだん黄ばみ
劣化していく



2:五年間、ほぼ毎日誰かがつぶやいてくれた

5年かけて完成するWEBなので、一応コンテンツは5年は残るだろうという、無理矢理な理屈でスタート。

結果、まず最初のリリースで、バズが起こり、いわゆる「バズって一瞬で消費される状態」が発生しました。

とはいえ、リリースして少ししたら、やっぱり多くの人に忘れられるかな?と思っていましたが、「劣化するWEB観測隊」なる劣化ウォッチャー勢が誕生。いろんな人が定期的に、思い出したり、過去のスクショと比較してくれたりしてくれるようになりました。

これまでにいろんなデジタルコンテンツを作ってきましたが、5年間、だいたい毎日、誰かが安定的につぶやいてくれるようなコンテンツは、劣化するWEBだけでした。


2017年2月24日:公開直後


2017年の年末


2018年


2019年


2020年


2021年


アナリティクスで見ると、こんな感じ。たまにバズが起きて、どーんと2〜6万くらいいって、あとは100〜500が定期的に続く感じ。トータルで153万PVでした。無事に、最初に設定したMAX値まで劣化しました。

劣化するWEBを、yahooリアルタイム検索アプリ(エゴサーチ)に登録していましたが、朝起きると、だいたい通知がついてて、ありがたく思ってました。劣化するWEB観測隊の皆さま、5年間、本当にありがとうございました。



3:今後の展開

劣化するWEBは、途中で手を入れるとズルい感じがするので、一切手を加えないようにしてきました。(スマホサイトが、PCサイトに比べてかすれ処理がしっかりできてない感じがしてたんですが、そういう修正も放置に。)

で、実装的には5年間で終わるようにしたので、一旦はこれで終了です。でも今後、「新・劣化するWEB」をつくることはあるかもしれません。今度は100年かけて劣化していくやつとか、もっと複雑な実装で劣化させていくとか…。またそのときは、ウォッチよろしくお願いいたします。


「時間で変化するコンテンツ」の展開案

この企画の良さはWEBに「時間」というエフェクトが入ることです。今回は劣化でしたが、他にもいろんな時間変化のアイデアがありえます。

●劣化する漫画
漫画のコマは変わらないけど、中身の人やシーンが劣化していく。それによって、物語も微妙に変化したり。

●劣化するYouTube
動画の尺・構図・中身は変わらないけど、そこに出演する人が老いたり、周囲のものが劣化していく

●2030年、脱炭素に向けて変化するWEB
政府は、脱炭素に向けて、2030年46%削減を目標に掲げました。実際にそうできるのか、温室効果ガスの排出削減量に応じて変化するWEB。みたいな、何かのゴールに向かっていく系も、ありえるかなと思います。


また、こういう表現に興味のある方いましたら、何か一緒につくりましょう。最近は、お店や商品などWEBじゃないプロジェクトが増えましたが、またWEB完結のコンテンツも作っていきたいと思います。

では、また「新・劣化するWEB」でお会いしましょう。5年間、ありがとうございました。

●佐藤ねじ:Twitter
https://twitter.com/sato_nezi


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