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ジョルジュ デュブッフ ボージョレ ヴィラージュ ヌーヴォー 2014 デュブッフ セレクション

ジョルジュ デュブッフ ボージョレ ヴィラージュ ヌーヴォー 2014
デュブッフ セレクションです。

セブンイレブンさんで買いました。
ジョルジュ デュブッフさんというと、ボジョレの帝王とも呼ばれる方であり、このワインを広めた最大の功績者であります。
その年の葡萄の個性を味わいたいと思う私は、彼の「ボージョレ ヴィラージュ ヌーヴォー」を毎年頂いており、これをその年の基準としています。

ちなみにヴィラージュは、認定された地域の規則に厳しいランクであり、ヴィラージュ表記のないものに比べていくらか割高にはなるのですが、毎年確実に一歩上の味わいを提供してくれています。

が・・・、今回ちょっとした不注意がありまして、この「ジョルジュ デュブッフ ボージョレ ヴィラージュ ヌーヴォー」には「デュブッフ セレクション」という追記があり、デュブッフ氏が最後まで監修したシリーズというものらしいのです。

いつも飲んでいたものと、僅かとはいえ違う銘柄になってしまったので、一概に昨年との比較をしてはいけないのですが、現時点では同系にあるという解釈を元にレビューさせて頂きます。

ちなみにセブンイレブンさんが取り扱うデュブッフ氏のワインは、いつもスペシャルエディションタイプ(オリジナルよりも上位ランクではありますが、オリジナルより良質というよりはバージョン違いという味わいの傾向です)なので、今回も注意しながら購入したのに気付かなかった・・・(>_<)

では、まずはその香り。

室温では、ダークベリー系の深い渋味が軽やかに感じられ、そこにチェリーの明る果実味を微かに広げると、続いて鼻をくすぐるのが甘味と厚みを覚えさすヨーグルトを思わす個性。
グラスを回転させていくと、徐々に爽快な印象が増し、果実の香味と、ヨーグルト系の香味が調和していきます。

そして、いよいよ味わい。

口当たりは舌先にベリーの果皮を思わす軽やかな渋味を添えつつ、舌の上に転がるのはヨーグルトを思わす甘味、そしていくらかのマンゴーを思わす果実味を覚えます。

後味に軽やかで柔らかな渋味がじんわりと舌に沈んでいき、その味わいが完全に舌に染み入った直後、それに呼応するように浮き上がるのはベリー系の明るい果実味。
アルコール感との境界を強く感じさせない優しいタッチが上品で、単色的ながらもフレッシュな果実感を覚えさす余韻と、そこに静かになびく赤ワインらしい渋味の抑えめのバランス具合が心地良く感じられます。

昨年のヴィラージュに比べると果実感のバリエーションが少なく、また透明感や風味の輪郭も抑えめに思えますが、個性的ながらもバランスは悪くない印象で、ボディーが強いわけでもなく、曇りがあるわけでもない一方、ぽっちゃり系の味わいを楽しませます。

試しに少し強めに冷やしてみたところ、香りにベリーの肉感が出る一方で、味わいには中盤の薄肉さが気になるようになりました。
これではだいぶ物足りなく思えてしまいます。
冷蔵庫には入れない方がいいようです。

ベストな温度は16度くらいでしょうか?
軒下で、室温よりも少し冷やした状態で頂いた時、非常によいバランスを感じさせてくれました。
少しヨーグルトめいたとろみをが舌に転がり、そこからフレッシュなベリー系の果実味が華やかに浮き上がり、その個性が舌にほのかに、そしてじわっと染み入り、余韻でベリーの果皮を思わす軽快な渋味を果実の香味とともに残してくれます。

――あっ、これは美味しい(*´▽`*)

ハムや鶏料理などの淡白な肉料理、またはベリー系のソースを添えたくなるようなチーズにもあいそうですね。

総じて、ボージョレ・ヌーヴォーらしさは感じるも、これまで頂いたいずれの年のものとも少し異なる印象で、過去10年のジョルジュ デュブッフ ボージョレ ヴィラージュ ヌーヴォーを解禁日の状態で並べられても、このワインを当てることができる気がします。

ちなみに今年のキャッチコピーは「エレガントで味わい深く、とてもバランスがよい」―――春先は晴天続きでブドウの生育は順調、夏に雨が降り気温も低い日もあったが、9月には再び天候に恵まれブドウは糖分があり果皮が厚く完全に成熟した状態で収穫でき、ここ数年ではかなり恵まれた天候。「並外れ」と表現する造り手もいるとのこと。

私の印象としては、昨年よりも表情の多彩さや繊細さは抑えられるも、去年よりもふくよかで料理にあわせやすく感じられます。
熟成感はあるが、その熟成感が重くならない分だけ、フレッシュな面に意識がフォーカスされやすいイメージで、太くない丸み――良質の年に感じられるようなバナナやピーチめいた個性は見られないものの、ベリーソースと和えたヨーグルト系の個性が際立つように思えました。

例年10数銘柄は頂いていますので、他の作品についてはまた改めて。
いずれにしても「ジョルジュ デュブッフ ボージョレ ヴィラージュ ヌーヴォー」と「ジョルジュ デュブッフ ボージョレ ヌーヴォー」、そして「エリック パルドン」はちゃんとレビューしたいですね。

毎年楽しむために、同じ銘柄を継続的に味わっていきたいのであります(*´▽`*)

追伸 過去5年くらい続けて、解禁から1~2時間以内の最速レビューを心掛けてきたボジョレ・ヌーボーですが、今年はついにそれが途絶えてしまいました。くやしー!!リベンジは来年にでも!!

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