くろき塩味玉-_2_p

秋葉原の超名店で食べてきました。饗くろ喜さんの味玉塩そばです。

饗 くろ喜(饗 くろ㐂:もてなし くろき)さんの味玉塩そばです。
くろ喜さんは、秋葉原駅近くにある日本有数の実力店ですから、是非一度訪問してみたいと考えているラーメンファンも全国に多いことでしょう。

※参考 http://tabelog.com/tokyo/A1310/A131001/13127743/

スープからは口当たりに丸鶏の綺麗な味わいが感じられ、野菜の味わいがその表情に明るさを彩っています。
ほんのりと感じられる豚?の個性が、鶏の表情を貼り出させすぎず、じわっと横方向に広がるような味わいを導いています。

後味は印象的です。
焼きアゴでしょうか、ほんのりとした焦がし感を覚えるような香ばしい味わいに、いくつもの魚介出汁の甘みと香ばしさが感じられていきます。
煮干しなどの渋みや辛味のある魚介系素材で、動物系出汁の甘味を支えるのではなく、甘めの素材感を持つ魚介出汁に対して、魚介系素材の焼きや炒り、干すなどの工程が生み出す香ばしさや枯れ感がバランスをとるような印象のスープであり、魚介出汁のふくよかさや香りの高さにインパクトを覚えます。

特徴的な素材をいくつも使用している作品だと思いますが、それでも全体としては素材の複雑さを主張するというよりは、ある程度絞り込んだの良質の素材の魅力を随所にすとっと落とし込むようなスープに思えます。
しかしその一方では、その全てに上品さがあり、味わいの展開においても、それぞれの出汁が特徴的になりすぎず、滑らかな流れを覚えさせられます。
丁寧で正確な。まさに上質のスープといった印象の内容が、とても嬉しく感じられました。

麺は口当たりから全粒粉のほろ苦さがばさっと感じられるようでもあり(ちなみにこちらは細麺です。味噌用の太麺が全粒粉入りとされています)、それを弾みに小麦の柔らかな甘みがぐっと前に出ます。
そしてこの細麺、角がしっかりと立った形状をしています。
そして比較的硬めにゆでられています。
ここに一つの主張があるように感じられました。

トッピングではレアチャーシューのインパクトが強いです。
非常に優れた味わいであり、食べ終えてなお印象の残る、引きの強いチャーシューであると思います。

個人的には麺の個性や、このレアチャーシューの個性は、スープにいくらか独立的であるようにも感じられました。
調和を重視したバランスというよりは、意図的にパーツの個性を少し張りださせることで、一口一口に高いテンションを与えようとしているのだと思います(あくまで私の個人の印象として…の話です。実際は違うかもしれません)。
明らかな淡麗系作品であり、同時に上品な一杯でもあるのですが、淡さや重なりで色気をつくる水彩画タイプの味わいではなく、時には精密な黒炭画などを思わせることもできるエッジの魅力を適度に主張する一杯であると思えます。

そしてそのバランスが、一つ一つのクオリティがすこぶる高い中で表現されていることが興味深いのです。
「調和」というバランスを正確にコントロールできる料理人が、それを踏まえた上で個々の個性をいくらか押しを強くし、狙い通りの惹きを生み出しているような巧さを確信させるだけの「力」があるのです。

その他のトッピングも印象的でした。
フライド牛蒡(なのかな?)や薄切りのタケノコ(なのかな?)なども用いられ、上品さと合わせて存在感を強く主張するものが使用されています。

地方で頂く地元のラーメンとすると、いくらかインパクトに傾倒したアレンジと思える部分もありますが、東京で日本中のラーメンファンを引き込む一杯としては、どの部分を一口食べたとしてもそのレベルの高さを証明できる一杯であり、まさに激戦を勝ち残るべくして勝ち残る、頂点の一杯だという印象を受けました。

日本中から注目される淡麗系の超代表格の一杯として、なるほどの内容です。
「他県からわざわざ行く価値はありますか?」の問いに対し、はっきりと「あります」と答えられる美味しさです!!

ぶっちゃけます!!
好みという次元を超えて美味いと言わせるラーメンとして、最高傑作の一つとして評価すべき名作だと思います!!!!

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