20230927

iPhone(SE第2世代)を使い続けて3年が経った。頻繁にフリーズを起こしたりやたら早く充電が切れたりしていたが、とうとう一部アプリの通知が来なくなったので買い替えることにした。俺はデバイスにこだわりが特に無い。携帯電話を乗り換えることをよく機種変と言ったりするが、iPhoneSE第2世代からiPhoneSE第3世代への変更は機種変というのだろうか。ネットで注文を済ませ、その翌日新iPhoneを受け取りに最寄りのApple Storeに向かった。注文をするときに、iPhone15がリリースされたことを知った。

恐らくiPhone15が目当てなのか、当日のApple Storeは客でごった返していた。Apple Storeという場所にはずいぶん前から馴染めていない。ブティックよろしく、おおよそ人しか見えないのにガラス張りの様相の店構え。外からもその盛況ぶりがうかがえた。入店して間もなく、注文の待機列に案内される。店員は皆インディゴのシャツを着ている、胸に欠けたリンゴのマークが付いている。大気中は目玉商品のiPhone15のサンプルに触ることもできたが、触れない。触って壊れたらどうしようとかしょうもないことを考えているせいだ。店の最奥ではスクリーンを前にしてインカムを付けた店員が、集まった10数人の客に向けておそらくiPhoneの新機能の解説をしている。触れている空気から気温・湿度だけではなく、色んな情報を得られるらしい。ジョブズが1人で聴衆を前にして演説している映像を思い出した。ジョブズのクローゼットには黒のシャツしか入っていないというエピソードを思い出した。彼の精神性がインディゴのシャツに受け継がれている。制服がカジュアルなのは良いことだ。

待機列も捌かれ、いよいよ俺の番になった。iPhoneSEを注文しているのは今日集まった客のうちの何パーセントなんだろうか。スマホ本体と合わせてフィルムも買うことを勧められたので、買った。全ての手続きをiOS端末でやっていてスムーズに事が進む。一度店の奥に引っ込んだ店員のお姉さんが再びやってくると、本日の目的だったiPhoneが入った箱がその手にあった。次にそのお姉さんが、「では、開封の儀をお客様の手でお願いします」というもんだから面食らった。そうか、そういうテンションだったか……と箱のテープを剥がすと畳みかけるように「おめでとうございます!」と拍手までされた。携帯電話を買うというものを流れ作業的にこなそうとしていたので、この辺でだいぶ申し訳なくなってしまった。はい、すみません、ページアクセスから注文までおおよそ5分で済ませてしまってすみませんでした……。その後。別料金となったフィルム代は現金払いとなったのだが、雰囲気にのまれたせいか「キャッシュで」と言ってしまった。現金のことをキャッシュなんて人に言ったのは生まれて初めて。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?